309:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/25(クリスマス) 23:19:36.37 ID:GcS1DpIo
「病人はしっかりと防寒対策しないと」
「……あァ、そォだな」
「よっ……えっ……あれ……?」
「ン? ……そのマフラー、異様に長くねェか?」
「これ、まさか……」
彼女の手にあるのは、明らかに一人では長すぎるマフラー。
見ると、ご丁寧にも二人用のマフラーであることが印字されていた。
「カカッ、面白ェもン持ってくるじゃねェか」
「あっ……いや、そのぅ」
「ンだよらしくねェなァ。まァいいや、二人で使おうぜ」
「――――え?」
彼女は一瞬思考が止まる。
一方通行が冗談を言うとも思えなかったのだ。
「……本気?」
「オマエ、その格好じゃ風邪引くぜ」
「風邪は引かないと思うけど、恥ずかしくないの?」
「オイオイ今更そンなこと気にすンなよ」
「……わかった」
完全に口癖を忘れたような黄泉川を怪訝な顔で伺うものの、
こういう類のマフラーをするのが初めてなのか、彼は純粋に嬉しそうだ。
ちょっとだけ、憧れていたのかもしれない。
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