312:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/25(クリスマス) 23:28:26.08 ID:GcS1DpIo
「……電話」
永遠かとも思わせる時間を壊したのは、一方通行。
急な声に彼女が驚いて横を見ると、彼が柔らかい表情浮かべていた。
彼は少し俯き加減に、とつとつと語る。
「さっきので二回目だな、ケータイで話すのは」
「……そうね」
「クッ、それで思い出しちまったぜ、最初の電話。まさしくありゃァ黒歴史ってやつだな」
「黒歴史……?」
彼は、照れくさそうに笑っていた。
彼女は、自分が食い入るように彼を見つめていた事に気づく。
思わず視線をそらしたが、彼女は名残惜しいのかチラチラ彼を見ていた。
「下らない不幸自慢みたいだっただろォがよアレは。
――――枯れた考えだったな」
「……そうかな?」
「そォだよ。闇の深さとか、自分の怪物性とか。
比べたって何にもならねェことぐらいわかるはずなのによォ。
ナニを腐ってたンだろォなァ俺は」
「………」
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