9:泥源氏 ◆88arEec0.g[sage]
2010/12/14(火) 00:16:35.31 ID:avSACfMo
「黄泉川が俺を捜しているだとォ……!?」
仕事が終わり、組織の行動範囲が大きくなったせいで必要になってしまった定例会。
『グループ』のリーダーを押しつけられた土御門元春から教えられた事実には、
一方通行が振り切れない、日常の輝きがあった。
「所詮一警備員だからここに辿り着くとは思わんが、また厄介なことに幻想殺しが
絡んできちまってな」
「彼が? ……それはまた難儀なことになりましたね。無能力者のくせに裏に首を
突っ込みすぎなんですよ、彼」
「しかもなんだかんだ言って上条派閥なんてものまであるらしいし、理事会にまで
影響を及ぼしているみたいだから、面倒なことになりそうね」
彼ら、一方通行、土御門元春、海原光貴、結標淡希の四人で構成される『グループ』は
裏の組織であり、表で活躍する類の上条当麻とは本来関わらない存在。
しかし数々の事件を処理していくうちに、その不幸体質ゆえか面倒事の中心人物に
なりやすい上条当麻は、『グループ』にとってもすでに避けられない存在となりつつあった。
「三下は今どうでもいいンだよォ、どうして黄泉川が俺を捜してやがる!?」
「そりゃお前、いつまでも帰ってやらない家出少年が悪いんだろう」
「電話がかかってくるだけじゃ、保護者としてもやはり心配なのではありませんか?」
「別に顔を出すぐらい何にも禁止されていないじゃない。現にそこのシスコンは、
しょっちゅう義妹と逢瀬を楽しんでいるじゃないの」
「舞夏と会えなくなるぐらいなら死んだほうがマシだ」(キリッ
真面目にシスコン宣言する土御門は置いておくとして、他人になんと言われようとも
一方通行は、今現在彼女たちに会うつもりはない。
それは、ただ単に指名手配されているからということだけではなく、
決意が揺らぎかねないような気がしたのだ。
悪に徹し、闇の頂点に君臨し、たとえ彼女たちに嫌われても、
陰ながら彼女の世界を守りたいという決意。
実は、今少しその決意にもひびが見える。
だからこそ、尚更会えない。
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