過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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326:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/07/26(月) 02:04:27.21 ID:46.faFwo

「……」

 きゅっ、とセーラー服は唇を噛む。

 出来れば彼女の隣に並び立ちたかった。出来れば彼女と笑みを交わせる存在になりたかった。それこそ、昼間に見た白井黒子のように。

 だが無能力者である自分では、彼女の傍に立つことなど恐れ多くてとてもできない。たとえ御坂美琴がそれを許しても、自分自身が耐え切れないだろう。

 自分が立てない以上、他の誰が立つのも嫌だ。

 学園都市の序列はともかく、電撃使いというくくりにおいて、彼女と双璧をなす存在など、認めたくはない。

 誰も立たせたくない。

 ならば電撃使いを消せばいい。

 そうすれば御坂美琴は『超電磁砲』ではなく『電撃使い』として最大級の賛辞を受けることになる。自分だけでなく誰もが彼女を見上げる存在になるだろう。

「……」

 セーラー服は想像する。強能力者以上が力を失い、彼女だけが『電撃使い』の賛辞を受けることになった姿を。

 無能力者や低能力者、異能力者等から絶対の尊敬を受ける彼女を夢想したセーラー服の口元に、歪んだ笑みが浮かんだ。

「……」

 セーラー服は己の右手を見た。

 無能力の自分では、とても高レベル能力者を倒すことなど叶わない。

 魔術を知ったのは、本当に幸運だったと思う。御伽噺やおまじないのレベルではない、奇跡を起こせる魔術を。

 魔術と薔薇乙女。この二つがあれば、十分に高レベルでも戦うことが可能だった。事実、彼女たちはすでに10人を超える強能力、大能力者を叩き潰しているのだ。

 能力者しかいないこの都市において、自分たちを補足するのは、不可能に近いだろう。己が望みが成就するまでには時間がかかるが――――決して、無理ではないのだ。

 そんな暗い欲望を夢想するセーラー服の耳に、

「……でも」
 
 と、蒼星石の声が入ってきた。



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