過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2010/07/26(月) 02:14:16.92 ID:46.faFwo
「・・・・・・」
その表情と言葉に、上条は思わず言葉に詰まってしまった。
姫神を危険な目に遭わせたくないという思いはどうあれ、そして彼女がそれを承諾していたとは言え、置いて行ったのは事実なのだ。
「あ。……ごめんなさい。私」
彼女の方も、思わず漏れた言葉だったのだろう。
沈黙と、上条の浮かべていた困り顔に気づき、慌てた様子で頭を下げた。
「いやその…俺の方こそごめん」
気まずそうに頬を掻きながら、上条も軽く頭を下げた。何に対して謝っているのか自分でもよくわからなかったが。
「……」
「……」
上条は言葉が続かず、姫神は俯いたまま。
味の悪い沈黙がおりる。
いまいる公園が大通りからやや外れた位置にあることと、時間的に人通りが少なくなるということも相俟って、その静けさはやけに強く耳に響いたような気がした。
(え、えーと……)
少しだけ気の早い虫の音を耳にしながら、上条は所在なさ気に視線をうろうろとさせた。
なんとなく、声を出すが憚られる。
こういう雰囲気に慣れないというのもそうだが、話し相手が姫神だから、というのもひとつの原因だった。
別に姫神が苦手とか話し辛いというわけではない。ただ単に上条の周りの女の子には、こういう時に黙り込むタイプが少ない、というだけの話である。
(……御坂ならたぶん、なんか言いなさいよ、とか言ってくるんだろうけど)
そんなことを考えてみるが、詮無きことだ。目の前の相手は美琴ではなく姫神なのである。
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