過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
1- 20
332:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/07/26(月) 02:14:16.92 ID:46.faFwo


「・・・・・・」

 その表情と言葉に、上条は思わず言葉に詰まってしまった。

 姫神を危険な目に遭わせたくないという思いはどうあれ、そして彼女がそれを承諾していたとは言え、置いて行ったのは事実なのだ。

「あ。……ごめんなさい。私」

 彼女の方も、思わず漏れた言葉だったのだろう。

 沈黙と、上条の浮かべていた困り顔に気づき、慌てた様子で頭を下げた。

「いやその…俺の方こそごめん」

 気まずそうに頬を掻きながら、上条も軽く頭を下げた。何に対して謝っているのか自分でもよくわからなかったが。

「……」

「……」

 上条は言葉が続かず、姫神は俯いたまま。

 味の悪い沈黙がおりる。

 いまいる公園が大通りからやや外れた位置にあることと、時間的に人通りが少なくなるということも相俟って、その静けさはやけに強く耳に響いたような気がした。

(え、えーと……)

 少しだけ気の早い虫の音を耳にしながら、上条は所在なさ気に視線をうろうろとさせた。

 なんとなく、声を出すが憚られる。

 こういう雰囲気に慣れないというのもそうだが、話し相手が姫神だから、というのもひとつの原因だった。

 別に姫神が苦手とか話し辛いというわけではない。ただ単に上条の周りの女の子には、こういう時に黙り込むタイプが少ない、というだけの話である。

(……御坂ならたぶん、なんか言いなさいよ、とか言ってくるんだろうけど)

 そんなことを考えてみるが、詮無きことだ。目の前の相手は美琴ではなく姫神なのである。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
808Res/714.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice