過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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344:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2010/07/26(月) 02:30:34.56 ID:46.faFwo





 上条の部屋。

 そのリビングに鎮座する、大きな鞄。

「・・・・・・」

 夜は眠りの時間。そう言って鞄に篭った真紅は目を閉じていたが、しかし眠りについていなかった。

「・・・・・・」

 胸に当てた右手。そこにある違和感を探るように、彼女の眉はたわめられていた。

 過去のこと――――『前回』についてのあやふやな自分の記憶。

 どのようにして『前回』が終わり、いまがあるのか。

 それを明確に記憶していないのは、なぜなのか。

 そしてなによりも、

 

 ・・・なぜ、それを上条たちに言わなかったのだろう。



 言うべきだった、と思う。

 しかしあの病室で雛苺のことを説明したとき、どうしてかそのことに触れたくなかったのだ。


(私は……)

 真紅は、ぎゅっ、と手を握った。閉じた瞼にさらに力が入り、彼女の表情が辛そうに歪む。

「……」

 そう、真紅は怖かった。

 言葉にすることで、いまの違和感が明確になってしまいそうで。


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