過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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44:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/03/21(日) 15:33:21.94 ID:TgoUeT2o

「・・・・・・」

 だが、そんな彼の思考を読んだかのように、真紅はふわりと、微笑みを浮かべた。

「大丈夫よ、当麻」

「え?」

「貴方の考えていることよ。きっと、姉妹で殺し合いをするなんて、とか、考えているのでしょう?」

「な、なんでわかったんだ?」

「顔に書いてあったのだわ。話し合いや他の方法はないのだろうか、って」

「う」

 完璧ピタリと言い当てられ、上条は若干狼狽した声を上げた。

 それを見て、真紅がくすくすと笑う。そして、続けた。

「安心しなさい。私は、戦って奪おうとか、そういうことはもう思っていないわ」

「そうなのか?」

「ええ。私は私のやり方でアリスを目指しているの」

 そこでいったん言葉を切り、紅茶に口をつける真紅。それから、続けた。

「私たち姉妹の争い・・・アリスゲームと言うのだけれど、その結果で得られるのは、あくまでもローザミスティカよ」

「・・・・・・」

「でもよく考えて当麻。もし私が他の姉妹を倒し、ローザミスティカをひとつに纏めたとして・・・それで本当にアリスになれるのかしら?」

「え? でもだって、真紅を作ったそのローゼンってのが、そう言ったんだろ? じゃあそうなんじゃないのか?」

「そうかしら? 私が初めて目を覚ましたときには、もうお父様は傍におられなかったわ。直接聞いたわけじゃないの。・・・それに何より、もしローザミスティカをすべて集めてアリスになれるなら」

 真紅はちらり、と上条を見る。

 上条は真剣な瞳をこちらに向けてきていた。争いごとをしない、という真紅の言葉に、それだけの真剣さを持ってくれているのだろう。

「・・・お父様は、私たちを創らずにアリスを作れば良かったのだもの」

「あ、なるほど」

 得心したように、上条はうなずいた。


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