過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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762:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2013/05/21(火) 01:34:50.31 ID:BCdppM12o

「!?」

 人間の身体行動は、電気信号で制御されている。

 肩の筋肉が上条の思惑とは反対方向に動き、アウレオルスの眼前ギリギリで拳が停止した。

(なんでこいつが超能力を!?)

 攻撃を無効化された刹那にも満たない時間の中、胸中で上条が叫ぶ。

 錬金術師とは言え、彼は魔術側に身を置くはず。少なくとも上条の知る限り、その境目は厳然と存在しているはずだ。

 いやそもそも、少女人形に憑依して出現したアウレオルスは、魔術の産物でしか有り得ない。

 しかし上条の疑問はそこで途切れる。

「ふんっ!」

 右腕を中途半端に止めた状態で隙だらけとなった上条の腹に、お株を奪うように握り締められたアウレオルスの拳が叩き込まれた。

「げぶっ!!!」

 美琴と同じ大きさの拳が水月へ容赦なくめり込み、上条が身体をくの字に曲げて吹き飛ばされる。

「上条くん!」

 ノーバウンドで壇上から落ちる上条を姫神が受け止め、もつれ合うように倒れた。

「とうま!」

 それを見てインデックスが椅子の陰から跳びだした。

 入り口から演台まで続く階段状の講堂を、白いシスター服が駆け下りる。

「厳然。禁書目録か」

 右肩を押さえながらアウレオルスが言った。「現段階で接触するのは好ましくないな」外れた肩を一息で戻しつつ壇下を見下ろす。

 彼が見たのは、椅子と椅子の間にある通路を駆けるインデックスではなく、いまだ蒼星石を抱きかかえたままの、翠星石だ。

「ひっ」と目があった翠星石が震える。

 妹を抱きしめる手に力が込められ、キシキシと蒼の身体が鳴いた。

「翠星石」と、アウレオルス。「命令だ。禁書目録を拘束しろ」

「ぁ……」

 言葉が響いた瞬間、翠星石の大きな瞳から一切の意思が消えうせた。



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