過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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768:上条と真紅 ◆zEntDqWLlc[sage saga]
2013/05/21(火) 01:46:18.86 ID:BCdppM12o

「所詮は『吸血殺し』か」

 ふっ、とため息を吐き、続ける。

「とはいえ舌を噛み切るだけと告げたあの時とは少し異なるのは評価しよう」

 彼の口調には、僅かに共感と喜びがあった。

 だがそれ以上の感慨は見せず、倒れた姫神のわきを抜け、真紅の前に立った。

「到達。予想以上に手間取ったが、一緒に来てもらおうか真紅」

「……お断りするわ」

 動けずとも、真紅の眼光は衰えない。

「ならば無理にでもつれていく」

 アウレオルスが手を伸ばし、真紅の腰に手を回した。

「まち……やがれ……!」

 よろよろと、上条が立ち上がった。

 演台から落ちた上条は、震える膝に両手をついて、アウレオルスを見上げ睨み付ける。

「少年。貴様の虚勢に意味はない。そこから貴様がここまであがってくるのと、私がこのゲートに入る。どちらが早いと思う?」

「うるせえっつってんだよ! 真紅を離しやがれ!」

「拒否。私の目的はこの人形だ。貴様の要求に応ずる義務はなく、そのつもりもない」

「――っけんじゃねぇ!」

 上条がついた手で膝を強く押す。反動をつけて上半身を持ち上げる――だが。

「邪魔だ」

 バリッ! とアウレオルスの前髪が電撃を放った。

 宿った『超電磁砲』の力は、オリジナルの10%にも満たない。しかしそれでも『欠陥電気』と同等以上。

 右手で掻き消すことも出来ず、上条は空間を走った雷の槍に身を打たれた。

「っ……」

 彼は再び倒れ伏した。

「当麻「黙れ真紅」……っ!」

 手足に続いて、真紅の唇が彼女の制御下を離れる。 

 豪奢なドレスがふわりと浮き上がり、真紅はアウレオルスの腕の中に納まった。

 客観的に見れば、中性的な風増の少女は、西洋人形を抱いているだけの状況だ。

 しかしその実態はまるで異なる。

 上条、美琴、白井、姫神は動けない。円柱の内側からは未だインデックスの暴れる音が聞こえてくるが、脱出に繋がる様子は見られない。

 もはや動けるものはいない。アウレオルスの勝利は確定したと言える。



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