過去ログ - 上条「まきますか? まきませんか?」
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上条と真紅
◆zEntDqWLlc
[sage saga]
2013/10/15(火) 22:56:22.20 ID:wDeJ7wZ0o
「電撃使い襲撃事件というのは、ここ最近風紀委員や警備員で捜査されている案件ですの。そして事件の名前からわかるように、お姉様もまったくの無関係ではありません」
無関係どころか、セーラー服の口ぶりから美琴が文字通りの本命であったことは疑いない。
狂気に満ちたセーラー服の言葉を思い出したのか、美琴が曇る。
「その主犯の目撃情報は、白いセーラー服の少女でしたの」
はっ、とした顔で上条がセーラー服を――その破片があった場所を見る。しかしそこには、ただただ絨毯敷きの床があるだけだ。
「彼女が人形であったのならば、少なくとも人形操作を担当する能力者と、これは後でお話ししますが、記憶を奪う精神系能力者がいるはずですの。仮にさきほど、お姉さまの人形を動かしていた者を捕らえたとしても、もう片方が残ります。そしてむしろ、この事件の要は精神系能力者の方ですの」
白井は言葉を切り、改めて上条を見た。
「お話、いただけませんか? これ以上の被害者を出さないために」
真剣な瞳。初春のものを借りたのか、左腕で『風紀委員』の腕章が揺れる。
上条は、ぐっ、と息を詰まらせた。
「先程、逆だと言いましたのはそれがためですの。セーラー服の件が先にあり、上条さんたちが巻き込まれたのです。ここで上条さんが口をつぐんでいたとしても、わたくしたちは捜査を続けます。その結果、わたくしや初春のように、危険にさらされようとも、です」
卑怯な物言いだ、と思う。
上条の気遣いを無駄どころか、捜査の妨げ――ひいては他者の危険に繋がると、わざわざそう聞こえるように言っているのだから。
しかしこうでも言わなければ、彼は事の真相を語ろうとしないだろう。
それに何より、上条たちから事情を聞かなければ、そして彼らだけで事を納めることになったとしたら、この件は迷宮入りだ。
自分や美琴が最後まで関わるには、いまここで説き伏せるほかない。
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