過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」
↓ 1- 覧 板 20
67:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2011/01/12(水) 22:55:54.75 ID:sZDacFKmo
紅の光が消える。
電気すら通っていないビルは闇に覆われる。
けれど、僕らはそんなことを気にせずただ目の前で唄う少女を見ていた。
唄が近くに聞こえる。身体の中に入り込んでくる。
耳を塞いでも逃げられない、距離などもなんの意味を持たない。
彼女が座る給水塔が、フェンスが、床が。一瞬で音もなく破壊された。
しかし、そんな唄だけの静寂も一瞬。
僕たちだけしかいない屋上に――青白い光が渦巻く。
まるで、何かを産み落とそうとしているかのように。
都市伝説を思い出す。
『少女Aに連れられて怪物が現れる』。
都市伝説はやはり都市伝説らしい。この少女Aを視たのは僕ら五人だけだ。
そして僕らが初めて集まって、コレが現れる。
だからつまり。
僕らが、怪物を呼んだ。
けれど。
智「――違う」
僕らが呼んだのはこれじゃない。
本能じゃない、何かがそれを告げる。
1002Res/832.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。