過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」
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66:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2011/01/12(水) 22:50:11.86 ID:sZDacFKmo
繰莉「こほん。……そして今、我々は観測するのさ」

繰莉「ほら――もう、いるよ」

 それを合図にしたように唄が強くなる。
 僕も、アヤヤも、芳守さんも、央輝も弾かれたように顔をあげた。
 まるで拘束されているような服。ベルトのようなものが何重に積み重なっている。
 首輪と腕輪がチェーンで繋がれてそれでもなんともなさそうにする。
 そして髪は白い、白い、白い。羽織っているマントも白く、帽子も白い。殊更に何者にも染まらない無垢な少女を象徴しているように。
 彼女は唄う。それはもう、不思議な唄を。不思議と、胸を締め付けられるような唄を。


 彼女は今日も唄ってる。
 彼女は今日も答えない。
 しかし――今日の唄は少しだけ違って。
 その唄は、彼女は僕らを呼んでいた。



智「少女、A」


 少女Aと名付けられた少女は。
 ただ只管に歌い続けていた。
 外界の僕らを全く見やることもなく。
 ただ只管に――――


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