過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」
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981:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/02(日) 22:20:34.69 ID:zfGkbpcfo
智「浜江さん、何かお手伝い出来ることはありますか?」

 僕は台所に入りかけていた浜江さんにそう問いかける。
 浜江さんはいつものような険しい顔でじっと僕を見た後、やっぱり例のごとく重々しい口を開いた。

浜江「……智さま。私は仕事場ではご容赦しません。それでもよろしいのなら――――」

智「はい、構いません先生」

 厨房というのが相応しいこの屋敷の住人になってから早半年以上。
 たまに浜江さんのお手伝い、もといその技術をご教授頂こうとするといつも問いかけが返ってくる。
 律儀だとは思うが、これは一応惠と同様にこの屋敷の主人である僕に対する線引き――よく言えば切り替えのための問答なのかもしれない。
 台所と書いて戦場と読むそこでは、僕は主人ではなく生徒、浜江さんは使用人ではなく先生なのだから。

浜江「……よろしい。ならば早う準備を手伝いい」

智「はい」

 ふと食堂を見ると、惠が肘をついて僕の方を見ていた。
 軽く微笑んでいたので僕も微笑み返して、厨房へと入る。

 ――今日は気合をいれよう。
 僕は人知れず意気込む。
 なにせ今日は十五夜で――久しぶりに皆がみんな、勢ぞろいする日なのだから。


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