過去ログ - 智「さあ、おとぎ話をはじめよう」
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2011/10/03(月) 00:08:44.73 ID:yJdPesPho
少しして、先にるいの体力が尽きた。
才能がなくなって運動を始めたらしいが、それでも体力はまだ花鶏に及ばないらしい。
最後に一撃を喰らってよろけ、尻餅をついたところを花鶏が手を差し伸べる。
るいも照れたように笑いながらその手を掴んで、この場は終わり。
きっと次にまたあった時も同じようなことをきっと二人はするのだろう。
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2011/10/03(月) 00:23:39.98 ID:yJdPesPho
繰莉「どうやら繰莉ちゃんが最後みたいだね?本当待たせてごめんねともちゃん」
智「伊代の言ったとおりまだ時間じゃないし、それに最後じゃ――――」
繰莉「のんのん。繰莉ちゃんが、最後なんだよ」
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2011/10/03(月) 00:29:31.04 ID:yJdPesPho
智「準備?なんの――――っ!?」
言いかけて。
後ろから左右に、衝撃が走る。
右腕と左腕、それぞれ力強く抱きしめる衝撃が。
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2011/10/03(月) 00:39:59.65 ID:yJdPesPho
なんで、どうして?
どうしてこんなことに……!?
ギュッ、と右手を抱きしめていた茜子が混乱している僕の腕を抓った。
茜子「智さんが悪いんですよ。私だけかと思ったら……よくよく考えておくべきでした」
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2011/10/03(月) 00:51:07.68 ID:yJdPesPho
二人の花嫁が僕を挟んで喧嘩する。
つい先程まで目の前にいた繰莉ちゃんがにやにやしながら僕らを眺めていた。
……大体、理解できた気がする。
智「……あのー」
994:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/03(月) 01:01:44.76 ID:yJdPesPho
茜子「だから、私と真雪さんは考えたわけです」
真雪「もういっそ、智さんに私達のどちらかを決めてもらおうと」
……どうしてそうなった。
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2011/10/03(月) 01:19:28.54 ID:yJdPesPho
――僕に、もう未来は見えはしない。選択肢なんてもっての外だ。
だから、僕は。
ただ、僕の思うがままに動く。
996:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/03(月) 01:33:13.17 ID:yJdPesPho
夜も更けて。
……佐知子さんはいつの間にか、予定を立てた日から今日までに人数分の部屋の掃除を済ませておいたらしい。
半端ではない人数だったが、どうにかなったようだ。すごい。
皆が寝入った中、僕は円縁に座って祭りの残骸であるテーブルだけが残った庭を眺めてコップを煽った。
997:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/03(月) 01:42:29.15 ID:yJdPesPho
――僕は人気のない廊下を歩く。
いや、人は居る。見張りというか、夜勤の人が。
けれど僕は秘密裏に、こっそりとここに入ったのだった。
立ち並ぶ引き戸、そして部屋番号と下に書かれた名前を見る。
998:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/10/03(月) 01:53:43.41 ID:yJdPesPho
あの日から、姉さんはずっと眠り続けている。
呪いの、コミュの。全ての仕組みの裏をかいて、僕らの周りは平和になった。
けれど、そこには――姉さんだけが足りない。
姉さんだけがいない。
僕の幸せを願ってくれた姉さん。その僕の幸せには、つまり姉さんの幸せも含まれていたというのに。
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