127:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 22:55:24.50 ID:I8qI0aago
「勝負してくれないと、これ返さないからね」
私はアイツに借りた上着の裾をひらひらと示す。
理由付けには弱すぎるとは思うけど、きっと名目くらいにはなる。だから。
128:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:00:29.25 ID:I8qI0aago
「言われなくても――」
ばちん、と空気が悲鳴を上げた。
先ほどよりも大きな、眩い閃光が生まれる。
129:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:05:33.04 ID:I8qI0aago
「……は? 何?」
呟くアイツの目の前で舞い上がった砂鉄は私の手元に集まり一直線に棒状を形作る。
「ちょっ……! オマエ、得物使うのはずるいんじゃない!?」
130:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:10:08.63 ID:I8qI0aago
「って、どう考えてもそれじゃ済まないと思うんですけどっ!?」
うん、私もそう思う。
でもどうせ効かないじゃん。
131:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/01/26(水) 23:16:11.25 ID:CH6x2odT0
これはあれか、記憶喪失を知っててあえて再現していると
132:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:16:12.98 ID:I8qI0aago
だけど。
「くっ……!」
アイツは回避しなかった。
133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:18:50.56 ID:I8qI0aago
「オマエ……風に乗った砂鉄まで……!」
何を驚いているんだ。
私の能力は電流や、そして磁場を操る事で、アイツの目には見えない磁界や電磁波が辺りを取り巻いている。
134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:20:59.30 ID:I8qI0aago
ああ、やっぱり。アイツには敵いっこないんだ。
だってアイツは無敵のヒーローで、私程度の小娘にどうにかできる相手じゃない。
135:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:25:16.27 ID:I8qI0aago
ああ。ああ、ああ――。
やっと私はこの手の中にアイツを捕まえられた。
びっくりした? こんなの台本にないもんね。
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/26(水) 23:27:57.10 ID:I8qI0aago
いくらアイツが鈍感だからって分かるだろう。
だってアイツを抱き締める腕も、体も、吐息さえも震えている。
こんな顔見せられるはずがなくて、私はアイツの背中に顔を埋めた。
振り向かないで。きっと私は今、凄い不細工な顔をしている。
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/01/26(水) 23:30:11.22 ID:mGtP1kJ1o
読んでいるだけで苦しいよ〜‼
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