155:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/01/29(土) 20:27:59.62 ID:Vac5WSOJo
あの日、忘れもしない八月二十一日。
ほとんど初対面に等しい相手、それも第一印象は最悪だろうに。
ああ思い出した。
『アイツ』が初めて私と会ったとき、いきなり電撃ぶちかまして、その上自販機に回し蹴りを叩き込んでしまった。
恥ずかしいなあ。いくら知らなかったからっていってもあれは何か色々ダメじゃない?
そんな最悪な出会いだったにもかかわらず。
アイツはボロボロになってまで私を諭してくれて。
その上死ぬかもしれないっていうのに――。
「――バカ」
私はこの期に及んでそんな悪態をつくんだけど、本気でそう思ってなんかいないって事くらいアイツにも分かるはずだ。
でもやっぱりちょっと怒ったのか、アイツは私に少し険しい顔を向ける。
「バカってオマエ――」
「だってそうじゃない。敵うはずもない相手の前に、勝算もなしに飛び出しちゃうんだもん」
もっとも、バカっていったら私の方がバカなんだけど。バカの中でも大バカだ。
バカに付ける薬はないとかバカは死ななきゃ治らないっていうけど、本当に救いようのないバカだった。
でもそんなバカを救ってくれたのは他でもないアイツだ。
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