過去ログ - 御坂「名前を呼んで
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285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 00:18:11.94 ID:K6nTd4fDo
しかし、ある意味では彼はその名に不相応とも言えた。
今この状況こそがその証左だ。そこに彼の弱さがある。
彼が麦野に接触した理由はそこにある。

優男に見えてその実まさに狡猾。言い方を変えるのであれば――そう、臆病だった。
麦野を挑発するような言動も、布石を打つのも、全て。

彼は明言しているではないか。
誰の悪意も望んでなんかない、と。

「俺がオマエらの味方になる」

女を口説くにもマナーがなってない、と彼は自嘲する。
彼女の全てを奪いながら自分のものになれば与えよう。だがこうするのも愛ゆえにこそ。そう言っているようなものだ。
馬鹿げているにもほどがある。真実そうだとしても誰が信じようか。
袖にされたくないからと計を謀る。そんな愛が許されて堪るか。

だからきっと自分は最低の部類の男だろう。
『第二位』、そのプライドの証が皮肉に思えてくる。

ただ唯一の救いは、そんな思惑でも口にしなければばれないだろう。

それがたとえ彼のアキレス腱になろうとも。

「――俺がオマエらを守る」

強く弱い少年は、彼、不器用なりの信念を貫くだけだった。


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