287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 02:03:11.43 ID:K6nTd4fDo
分かっている。これは蛇の甘言だ。
たとえどんなに魅力的な誘いだろうと首肯の先に待っているのは破滅だけ。
行き着く先は楽園からの追放以外にない。
けれど麦野には、彼女たちには。
ここ以外に居場所なんてないのに。
「だから言ってんだろ。アレイスターのヤロウをぶっ殺す。アイツは俺の敵だ。
ここまで言えば納得できるだろ。アイツが相手なら本気じゃねぇと。
それとも俺を止めるか? 俺の前に立ち塞がるか?
ああ――でももしかするとソイツの方がいくらかマシなのかね」
自虐めいた笑みを浮かべながら垣根は続ける。
「でもな――俺はオマエと殺し合いなんて、したかねぇんだよ」
かつ、と垣根の靴底が乾いた音を立てた。
垣根の言葉は余りにも矛盾している。
手を組もうと言いながら、麦野はそれに首肯できない。
味方になると言いながら、敵でしかない事を理解している。
殺し合いなんてしたくないと言いながら、戦争を起こそうとしている。
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