289:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 02:54:51.78 ID:K6nTd4fDo
博打を打てと垣根は言う。
学園都市そのものに反旗を翻そうなど妄言にも甚だしいと垣根自身が一番よく分かっている。
だが、だからといって負ける気などないのだ。
どんな手を使ってでも勝ちを掴む。最初からそう決めていた。
だから彼女には悪いと思いつつも彼女を籠絡する事に躊躇いはなかった。
逃げ道を残らず塞ぎ、万策尽きさせ賭けに乗るしかできないように追い込んででも垣根には麦野が必要だった。
説得を成功させる手立てなど欠片も思い浮かばなかったくせにこうして面と向かえばすらすらと出てきた自分に薄ら寒いものさえ覚える。
慙愧の念は絶えないが、それに報いるためにも垣根はより強く信じる。
「俺は勝つ」
勝算なんて欠片もないが、それでも垣根は勝利を疑わなかった。
だからそんな怯えたような顔をしないでくれ、と心の中で呟き。
「受けろよ、麦野。分の悪い賭けだって事は百も承知だ。
でももう降りれないのは分かってるだろ。コールしろ。俺にレイズさせろよ。
俺がこの賭けに勝たせてやる。ああ、そうだよ――」
微かに揺れる瞳に向かって垣根は言い放った。
「どれだけ足掻こうと親の総取りだなんて俺は認めねぇ」
751Res/479.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。