279:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/04(金) 02:52:43.98 ID:7ywMJCK/o
暗部にあってはならない、夢想家の戯言のような理想。
だからこそ麦野はそれを認められない。
「テメエは『アイテム』が何か知ってるだろぉが!」
280:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/04(金) 03:25:10.26 ID:7ywMJCK/o
体晶――薬品と称すには語弊があるが、そう呼ばれる『アイテム』に必要不可欠なものがある。
構成員の一人、滝壺理后の能力を発動させるために必須となるその粉末体は『アイテム』の要だ。
滝壺はいわば『アイテム』の『目』だ。
相手がどこに逃げようと必ず追い詰める猟犬の目と鼻。彼女の存在があって初めて『アイテム』は機能する。
281:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/04(金) 09:47:05.30 ID:KsBMSIZAO
待機
282:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 16:33:17.09 ID:b3cgIlGS0
麦のんかっこえー
283:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/04(金) 23:30:25.00 ID:7ywMJCK/o
「……でもよぉ」
激昂する麦野とは対照的に垣根は相変わらずの薄い笑みを浮かべたまま。
「それ言っちまえばなおの事だ。悪りぃ、麦野。完璧に手詰まりだ」
284:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 00:05:07.79 ID:K6nTd4fDo
「――だからさ」
だから垣根は提言している。
第三の選択肢を提示している。
285:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 00:18:11.94 ID:K6nTd4fDo
しかし、ある意味では彼はその名に不相応とも言えた。
今この状況こそがその証左だ。そこに彼の弱さがある。
彼が麦野に接触した理由はそこにある。
優男に見えてその実まさに狡猾。言い方を変えるのであれば――そう、臆病だった。
286:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 01:00:34.60 ID:K6nTd4fDo
「…………何よ、なんだよそれ」
しばらくの沈黙の後。
怒りなのか、悲しみなのか、麦野は感情に顔を歪めながら押し殺したような声を吐いた。
287:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 02:03:11.43 ID:K6nTd4fDo
分かっている。これは蛇の甘言だ。
たとえどんなに魅力的な誘いだろうと首肯の先に待っているのは破滅だけ。
行き着く先は楽園からの追放以外にない。
けれど麦野には、彼女たちには。
288:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 02:14:16.14 ID:K6nTd4fDo
「現状がどうしたって無理なのは目に見えてるだろ。オマエらは飼い殺されて終わりだ。
たとえ俺がやらなくたって、どうせ『アイツ』がやるだろうさ。その時オマエはどうするんだよ」
垣根の足はゆっくりと、しかし一歩一歩確実に麦野に近付いてくる。
彼の顔からは笑顔が消えていた。真剣な、ともすれば殺意さえ纏っていそうな気配に麦野は思わずたじろぎそうになる。
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