38:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga]
2011/01/09(日) 15:05:45.93 ID:ebftp9go
「ねえ――」
今度見に行っても……と言おうとしてすんでの所で止めた。
言うまでもなくその猫はアイツの部屋にいるのだから、つまりそれはアイツの部屋に行っていいかという質問にも同義だ。
さすがにそれはまだちょっと……というのも一つの理由だが、私にはもっと根本的な問題がある。
「どうした?」
「ううん……なんでもない」
俯くようにアイツから視線を逸らせ再び店内へ向ける。
私は猫に嫌がられる。
一八四万分の七だからこそなお救いようがないほどに。
今こうして間近で子猫を観賞できるのも間にある透明な板のお陰だ。
まさか一枚数百万もする局所的にしか使用されないこの透明素材がアイツの部屋にあるはずがない。
私が猫をアップで見られるのは画面の中か、この見えない壁越しだけだ。
嫌がる猫をむりやり抱き上げればできなくはないけど、そこまでしたくはない。
「なあ。中入らねえの?」
そんな私の抱える葛藤に気付くはずもなく、アイツは素晴らしいタイミングでそんな事を訊いてくる。
空気が読めないにもほどがある。
けどそれをアイツに言ったって仕方ない。
この気持ちは私みたいな能力者にしか分からないのだから。
私は緩く首を横に振り、「いい」と小さく呟くように言った。
751Res/479.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。