678:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/18(水) 20:46:48.41 ID:32iMxubGo
「っ…………」
「すまない、驚かせたか。少し外に出ていたから。隠形の術を解いてなかった」
そう言って彼女は手に持っていたミネラルウォーターのペットボトルを掲げて見せた。
「手荒な真似をして悪かった。詫びと言っては何だが、殺しておいたから許してはくれないか」
そんな物騒な事を平然と言ってのける彼女――ショチトルはフレンダにそう苦笑した。
ショチトルから敵意は感じられない。
外面的にも、内面的にも。
文字通りに感じられないのだ。
「…………」
フレンダは警戒を解かない。
殺された訳でもないし、拘束すらされていない。
どころか彼女は喉が渇いただろうと飲み物を手渡してくる。
だが何よりも――フレンダには彼女の内面がまったく見えない。
超能力者第五位、『心理掌握』の力を以ってしてもその一端すら垣間見えない。
それが不気味でならなかった。
「……アンタ、結局一体何者な訳。あのロボは仲間じゃなかったの」
「体裁上な。まあ……裏切った、と言えば分かりやすいか」
危害を加えるつもりはないといっただろう、とショチトルは嘯く。
「私の名前はショチトル……目立つ容貌だから少し外見をごまかしているが。オマエに頼みたい事があって来た」
「それにしては随分と手厚い歓迎ね。アンタのお国じゃこういうのが慣例な訳?」
「助けたのにその言い草はないだろう。機械相手は相性が悪いだろうに、『心理掌握』」
「っ……」
フレンダは言葉に詰まる。
自分が超能力者だという事は対外的には秘密だ。
それを知る者はごく僅か。仲間である『アイテム』の中でも麦野だけ。あとは暗部の研究従事者程度だ。
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