680:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/05/18(水) 21:32:09.80 ID:32iMxubGo
「それで?」
今さら一服盛られる事もないだろうと開き直ってペットボトルに口を付けフレンダは聞く。
「結局、私に手伝って欲しい事って何よ」
「ある男を説得したい。手を貸してほしい」
「お断りよ」
微塵も考える事なく即座に切って捨てた。
考える必要すらない。テンプレート通りだ。
「洗脳なら他を当たってちょうだい。私はそういうの好きじゃないの」
「随分と道徳的な事を言うな、『心理掌握』」
「悪い? 結局、誰も彼もが自分の能力が好きって訳じゃないのよ」
眉を顰める。思わず握る手に力が入り、柔らかいペットボトルがべこりと変形する。
感情を上手くコントロールできていないのも能力を充分に働かせられないからだろうか。
そんなフレンダにショチトルは何故か微かに笑みを浮かべると。
「いや、洗脳する必要はない。少しばかり身動きを取れなくしてくれれば」
「……は?」
「できれば手荒な真似はしたくない。……とはいえ何も無しではすぐに殺し合いになりかねないからな」
私も相手も、とショチトルは続ける。
その答えにフレンダは、今度はしばらく考え込んだ。
彼女の真意は見えない。だから言葉面と外面だけで判断しなければならない。
だがショチトルには悪意があるようにも嘘を言っているようにも見えない。
能力の性質上、嘘の見分けは経験則からある程度目端が利く。恐らく本気で言っているのだろう事は見て取れた。
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