9:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2011/01/08(土) 15:35:30.62 ID:JeVAPgDO
「いやぁ美味かったな。こんなに美味しいもの食べたのなんて久し振りで。珍しく上条さん幸せです」
満足そうにお腹をさすり、人工的に作られた灯りだけが灯す道を二人歩く。あぁ、何て幸せなのだろうと言わんばかりの表情をしながらテクテク横を歩く上条をふと見上げた。
──そうね、これ以上の幸せなんてないくらい……
そう素直に言えれば美琴の恋は苦労はしないだろうが、そこは美琴だからとしか言いようがなく。
「こんなので幸せ感じるなんて、アンタはどんだけなの」
と憎まれ口を叩いてはいつも後悔する。
──ああんもうこんなの話したいわけでもないのに。
「ははっ、常磐台のお嬢様には貧乏なんて分かりませんよねー」
ご飯をおかずにしてご飯を食べる生活ーとボソボソ聞こえてきたが気のせいだろう。
「時間は大丈夫なのか?送っていくぞ」
「そろそろ帰らなきゃね、また寮監にどやされちゃう」
「またって……女の子なんだから女の子らしくしろよな」
「それはどういう意味かしら」
「なっ、深い意味はない!だからその電気をしまってくれ!」
ふふふと美琴は笑いながらビチバチと電気を手に宿す。上条は慌てながらそれを収める様に言ういつものやり取りだ。
「ぷ、冗談よ」
その上条とのいつものやり取りが美琴にとっていつからこんなにかけがえのないものになったのだろうか。
「アンタんちもこっからだと逆方向だし、送ってくれなくてもいいわよ。それに私はレベル5よ、仮に襲われても返り討ちに出来るくらいアンタも知ってるでしょ?」
文字通り、上条はその身をもって知っている。
「まぁそう言うなって。今日のお礼だと思ってくれればいい」
自分からしてみれば理不尽な攻撃でも何だかんだ言って付き合ってくれる。だからこそ。
「割りに合わないかも、だけど」ニコッ
こんなにも優しい彼に、素直に甘えたくなるのもしょうがない。
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