過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
↓ 1- 覧 板 20
521: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/22(火) 18:03:37.70 ID:/jaFti/Vo
「ごちそうさま」
親父に続き俺も夕食を終え、親父の部屋へと向かう。
今にも胃に穴が開きそうだ。俺、なんかしたかな……。
「……失礼します」
意を決して、鬼の住まう場所に通じる扉を開く。
その瞬間、ツンと酒の匂いが鼻をついた。どうやら食後だというのにまだ飲んでいるようだ。
「まずはそこに座れ」
親父に促されるまま、ガラステーブルを挟んで親父の向かい側の椅子に腰を下ろす。
張り詰める緊張の中、かちかちと時計の針の音だけが響く。
なんだ……親父は俺に何の用事があるんだ。説教ならいっそ早くしてくれ。
まだ俺が部屋に入って1分も経っていないが、あんまり長引くと俺の胃がもたないぞ。
俺が部屋に入って5分ほど経ったころだろうか。ようやく、親父が口を開いた。
「京介、実はおまえに相談があるんだが」
「…………はい?」
それから約十分後。
親父の部屋を出ると、沙織が心配そうな顔をして俺を待っていた。
「あ、あの。いったい何があったのですか?」
「気にすんな。大したことじゃなかったよ」
「で、でもお兄様の怒鳴り声も聞こえましたし……」
「大丈夫だ。別に喧嘩してたわけじゃないからさ」
あまりにも馬鹿馬鹿しくて笑い話にもなりゃしねえ。
「大したことないのなら何があったか教えてください」
「それは駄目だ」
ぴしゃりとはねつけ、渋る沙織を強引に諦めさせる。
こればかりは沙織が泣いて頼んでも口を割るわけにはいかない。
なんせ、親父の沽券と威厳にかかわる話だからな。
「そういえば、おまえは部活とか入らねえの?」
「部活――ですか?」
沙織たちが俺の高校に入学してきてから一週間が経った頃。
夕食後に沙織の部屋で、かねてから気になっていた疑問を尋ねてみた。
「気になる部活もありませんし、今のところその予定はありませんが……なぜいきなり?」
「い、いや、別に他意はないんだ。ちょっと気になっただけでさ」
「そうですか」
533Res/332.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。