過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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523: ◆Neko./AmS6[sage]
2011/01/10(月) 00:06:04.89 ID:AkZboO+y0
終わりの目処が見えるってのは、本当に良いもんだよ。宿に着いたら、先ず風呂だな、温泉って言ってたしな。
そういや、俺ん家が家族旅行なんてしたのはいつが最後だったけ? 妹の桐乃との関係がギクシャクしちまって
からはお袋も親父も、家族旅行なんて言い出さなくなっちまったし――俺が中学生になって以来……

「ねぇ〜……あんたさー、家が最後に家族旅行に行ったのっていつだったか覚えてる?」

桐乃も同じ事を考えてやがったのか。まあ兄妹だしな、こんなハイキングなんか来りゃそう思うかも知んねえ。
そういや……俺達兄妹はなんで仲が悪くなっちまったんだろうな? 俺が中学に入った頃からだよな?……

「まあ、あんたじゃ覚えてないか? バカだしぃ」

桐乃が今さらっと、何か俺の悪口を言った様だが聞き逃しちまった。まあ、いつもの事だから気にしねえがな。
別に考え事をしていたってのもあるが、いま通り過ぎた林の奥に何かあったんだよね。薄緑色っつーか、四角
っぽい何かが……少しだけ丘になったその先の向こうに……頭だけ見えたんだ。見覚えがあんだけど……

「ほらほら、京介! あそこ見て! 見えてきたわよ。分かれ道」
「じゃあ、お袋……あと一時間半ってところか?」

――――分かれ道まで来るとお袋は何故か立ち止まってしまった。

「……………………どっちだったかしら……?」
「おいおい、待ってくれよ。三差路だぜ……覚えてないのかよ。」
「えーと……ちょっと待ってね……今思い出すから。…………ああ、こっちよこっち」

勘弁して欲しいもんだ。そう、なにを隠そうお袋は極度の方向音痴である。自慢するわけじゃないがな。

「京介〜……お母さんを信用しなさい。この道で間違いないから……うん、思い出したわ」
「お母さんの方向音痴は昔っからだもんね〜。アハハハハ」

お袋の記憶を信じて三差路を右手へ進む、林道の中だと何処まで歩いて行っても同じ様な景色に見えちまって、
俺は少しいやな不安を覚えた。だがそんな不安をよそに桐乃がお袋に話し掛ける。

「ねえ、お母さん? 二年前に来た時もやっぱこんな感じ?」
「そうねぇ〜……その時はお隣の奥さんが道案内だったけど……まあ、こんな感じね」

そういう他人まかせが一番アブねーんだよ。俺も詳しくはねーが、こういう林道ってのは始終新しく造られたり
廃道になったりするんだと沙織が言っていた。沙織っていうのは……桐乃のオタ友で、俺にとっても大切な友人
の一人だ。

『京介氏、……木と木を擦り合わせて、火を点ける方法を教えてしんぜましょう。いつかは役立ちますぞ!』

ざけんな! 今時そんな方法で火を点ける必要が何処にあるんだよ。沙織のオタク趣味は多岐に渡る。アニメを
始め、ゲームにプラモに……サバゲー、……要はサバイバルゲームの中での野戦訓練中に身に付けたそうだ。

『京介氏、……万が一、通信手段が断たれた時にはですな……』




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