過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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526: ◆Neko./AmS6[sage]
2011/01/10(月) 00:10:07.27 ID:AkZboO+y0
「京介、京介もお母さんが道を間違えたと思ってるんでしょ? 前に来た時はお隣の奥さんに道案内されて
 来たんだもの、お母さんを責めるのはお門違いと言うものよ。……でも確かにこういう道だったのよ〜」

お袋のヤツ……開き直りやがった。

「おい、桐乃……お袋が道を間違えたのに違いねぇと思う。でも今更いってもしゃあねぇよ。こうなったら、
 お袋の言う通りお前がお袋に付いてってくれ、お前なら先に走ってって宿を探すことも出来るだろうからよ」

桐乃はまだ言い足りない様な顔をしていたが、西の空を見て諦めたらしい。日が沈み始めていたからだ。

「じゃ、じゃあ! あんた! ま、万が一あやせに変な事したら、ただじゃ置かないからね!!」
「そんな事、言われなくったって何もしやしねぇよ。それよりも、桐乃、お前のリュックを持ってってくれ」

あやせはと見ると、……お袋と桐乃の親子喧嘩の原因がまるで自分の所為だとも言う様に、もう涙目だった。
すったもんだの末、お袋と桐乃はそのまま道を進み、俺とあやせはその場で迎えを待つ事になった。

「3時か……、まずいな」

俺は携帯の時計を確認して呟いた。せめて宿への方角が正しくて、本来の林道と乖離していなかったとしても、
往きに一時間半、いや二時間……その後、宿の車で迎えに来てくれたとして……5時過ぎちまうな。

「お、お兄さん? 何を考えているんですか? ……何か心配なことがあるんですか?」

あやせが不安になるのも無理はねぇよな。お袋たちは行っちまったし自分は歩けねぇ、それでこんな……
人っ子ひとり通らない様な林道に俺と二人きりにされりゃ……そりゃ不安にもなるわな。

「あやせ、心配すんな。お袋たちが宿に着いたら、直ぐに車で迎えに来てくれるだろうしな……それよりも、
 足の具合はどうだ? ……救急セットは置いてって貰ったから……冷えピタクール替えるか?」
「まだ大丈夫です。……それよりもお兄さん、ごめんなさい。……わたしが怪我なんかしたばっかりに」
「そんな事で謝んなって。……誰も怪我をしたくてするヤツなんかいねぇよ」

あやせって子は人一倍責任感の強い子だ。知り合ってまだ、一年ちょっとの俺でもあやせの性格はそこそこ
分かっているつもりだ。それよりも、今はあやせの足の痛みを紛らわせるためにも、少しからかってやるか。

「なあ、あやせ、……もしこのままお袋達が戻って来なかったらどうする?」
「お、お兄さんは何を考えているんですか! もし如何わしい事を考えているなら……ぶち殺しますよ!!」

あやせは顔を真っ赤にして怒った。……やっと、いつものあやせらしい言葉が出てきたよ。だが、まだまだ。

「そういうけどな、……俺がお前にぶち殺されて、おれの死体がここに転がってても……お前は動けないん
 だから、犯人はあやせ以外に考えられねー訳だぜ」

そこまで言われて、あやせはやっと自分がからかわれている事に気付いたらしい。俺を上目遣いでキュッ! と
睨み、口を窄めて言った。

「お兄さん、わたしの事からかったんですね! もう、ぶち殺し……ブツブツブツ」



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