過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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72:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011![sage]
2011/01/04(火) 19:32:41.30 ID:chArRJ.0
「ち、ちょっと待ってくれ、お兄さんまだ決まってなかった……」

おいおいおい、俺と同じ物なんて、――清楚な服装のあやせが『マグロのヅケ丼』をかっ込んでるなんて、
絵になんねーだろーよ。俺は、急いでページを捲り直し――――

「俺は……、と、トマトとなすのシーフードパスタ?とっ、イタリアンサラダにしよっかな」

「ふふ、お兄さんって本当に優しいですね」

「お、俺は初めからこれにしようと決めてたんだよ」

「じゃ、そういう事にしておきますね」

あやせが笑顔で微笑む。俺は照れ隠しで頬を掻いた。――メニューを注文し、他愛も無い会話を交わす俺達。

「――――って、加奈子が言ったら、桐乃ったら――だったんですよー」

本当に楽しそうに笑うあやせ、未だ嘗てこんなに楽しそうなあやせを俺は見たことがあっただろうか?……
注文した品が運ばれて来て、食事が始まってもずっとあやせはしゃべり通しだった。

「――――そしたら、ランちんたら怒っちゃって、今度は加奈子が――」

食後のデザートと飲物が運ばれて来たので、俺はさっきから疑問に思っていた事をあやせに尋ねてみた。

「なぁ、あやせ、今みたいな話……、家では誰としてんの?」

俺がそう聞いた瞬間、あやせの表情から笑顔が消え………………。俺は地雷を踏んだ――



「すまなかった……」

「いえ、わたしの方こそ……。急に黙っちゃって……ごめんなさい……」

あやせは俯いてテーブルの上のティーカップに視線を落としたまま、ポツポツと語り始めた。

「お父さんは議員活動で家に帰るのが遅いですし、お母さんもPTAや地域の行事で結構忙しいんです……」

桐乃が自分の趣味を誰にも話せなくて悶々としていた時、桐乃には兄貴の俺がいた。話したくて話したくて……
あやせだって学校のこと、友達のことを家族に話したい、聞いて欲しい気持ちは同じだったろう。

「あやせ……お前……」

あやせは、顔を上げるとまたいつもの笑顔に戻り――

「お兄さん、わたし一人っ子なんですから、そんなの慣れっこですよ――さぁ、次へ行きましょーっ!」



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