過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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77:あはっぴぃにゅうにゃぁ2011![sage]
2011/01/04(火) 19:37:10.27 ID:chArRJ.0
後ろ手錠――!? 

いや、待て待て、もしかしたらあやせとこうして会えるのも最後かもしれない。

こうなったらとことん騙されてやるのもいいかもな。プレゼントは『手錠です』ってか、そのまま放置プレイっ
て事は――まぁ話の流れから言っても心配は無いだろうしな。

「お兄さん、なにか失礼なことを考えていませんか?」

「わかったよ、あやせ、こーすりゃいいのか?」

夕陽を背にして立つあやせの表情は陰になり、はっきり読み取れなかった。心なし緊張している様に見えたのは
、俺の気の所為かもしれない。

俺はあやせに言われた通りに両手を後ろに廻して、瞼を閉じた。

「お兄さん、それならオーケーです」

「あいよ」

「じゃぁお兄さん、――――そのままじっとしてて下さいね。……絶対ですからね」

あやせが身体を動かしたのか、俺の顔に陰が出来る。

フローラルの香りが俺の鼻腔をくすぐったかと思った瞬間、俺の唇は柔らかな感触に触れた。わずか数秒間の
出来事なのに……、すべてが停止した……

俺の思考も、俺を取巻く時間さえも――遥かなる無限空間へ放出された様な浮翌遊感と陶酔感――

情けないことに、俺の身体は金縛りにあったように硬直し、瞼さえ開けることが出来ない。やっとの思いで呪縛
を解き、ゆっくりと瞼を開けると、あやせの紅潮した顔が俺から離れて行くところだった。

「わたしのファーストキスです……。お兄さん……ちゃんと受取って下さいね」

あやせは俺の瞳を真っ直ぐに見つめながら、精一杯の笑顔で微笑むと、その小さな唇をゆっくりと動かした。
唇の動きだけで……一言ひとこと言葉を紡ぐ。

『だ・い・す・き・で・し・た』

身体の正面で組んだ指先が小刻みに震えている。ふっと俯いてしまったあやせの眼に前髪が掛かる、頬にふたた
び、一筋の涙の雫が伝わった。

呆然とする俺の瞳に映ったものは、踵を返し薄暮の公園から小走りで出て行く、あやせの後姿――――


(あやせタン、マジ天使の方は……ここで (完)、それ以外の方はそのまま次へ)



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