過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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100: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/11/09(火) 22:09:19.17 ID:QFVk0n.o
「まァ、言いたくねェなら無理に言わなくても良いンじゃねェの。相談されたところで、俺もそォいうの苦手だしな」

「あー、うん。それは何となく分かってるから良いんだけど。ま、愚痴だとでも思って聞いてちょうだい」

美琴は勧められた椅子に座りながら、わざと明るい調子でそういった。
やっぱり分かり易い奴だなと思いながら、一方通行は彼女の言葉を黙って待つ。

「ほら、アンタたちは忘れてるかも知れないけど、私って超能力者でしょ? だからなのか、結構敬遠されちゃうのよね。
 尊敬だか畏怖だか知らないけど、とにかく近寄りがたいみたいでさ。
 私はレベルなんか全然気にしてないんだけど、あっちはそうも行かないみたい」

「嫉妬か?」

「いや、幸いそういうのは無いんだけど。みんなすごく良い子だし。ただ、普通の友達として扱って貰えないと言うか何と言うか……。
 何て言うのかな。アンタの言う通りに虐めとかなら、お互いの悪い所を治すっていうふうに一応改善の余地があるんだけど、
 私の場合は誰も何も悪くないから何処にも改善の余地がないのよね。
 話し合って理解して貰えれば良いんだけど、大抵の場合は相手が遠慮しちゃったり萎縮しちゃったりしてまともに会話が成立しないし。

 今まではそれでも何とかしようって思って結構頑張って来たんだけど、いい加減そろそろ諦めようかなあって。
 それに、もう私には黒子たちもアンタたちも居るし、そこまで必死になる必要を感じなくなってきたしね」

美琴は一気にそこまで言い切ると、はあっと大きく息をついた。
彼女は何も言わない一方通行の方に向き直ると、気まずそうな笑顔を浮かべる。

「アハハ、ごめん。こんなこと言われても困るだけよね。気にしないで」

「いや。愚痴れば少しは気が楽になンだろ。俺じゃ何も出来ねェが、聞くぐらいならいつでもやってやる。
 ちょうど良い暇潰しにもなるだろォしな」

「暇潰しって、アンタねえ……。人がわりと真剣に悩んでるってのに」

「俺に真っ当な反応を求めるのがそもそもの間違いなンだよ。助言が欲しいなら上条に言え」

一方通行がさらりと言った一言に、美琴はしかし過剰反応して顔を真っ赤にしてしまう。
こういうところが分かりやすいんだ、と思いながら一方通行は溜息をついた。

「でっ、出来るわけないでしょ! って言うか、この話絶対アイツにはしないでよ!?」

「ハイハイ、分かってるっつゥの。その辺はオマエが自分で何とかしろ」

「まったくもう……。本当に分かってるんでしょうね?」

かなり真剣にそう言っているのだが、一方通行は適当にあしらうだけだ。
と言っても、なんだかんだ言って彼は美琴の不利益になるようなことをしたことは無いので、一応は信用できるのだが。

「あ、そうだ。話は変わるけど、アンタはクローンってどう思う?」

「ごほっ」

水差しから注いだ水を飲んでいるところに来たあんまりな不意打ちに、一方通行は思わず咽る。
気管に水が入ってしまって苦しんでいると、美琴が呆れながらも背中を擦ってくれた。


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