過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2010/11/20(土) 21:24:50.01 ID:paIcwrUo
「ほらコレ。私の奢りよ」
「これは何でしょうか? とミサカは牛乳瓶に入っているのに牛乳らしからぬ色をしている飲料を警戒します」
「フルーツ牛乳。銭湯と言ったらコレらしいわよ。私も初めて飲むけどね」
「ほう、なかなか美味しそうな名称ですね、とミサカは未知の飲料に心躍らせます」
御坂妹は瞳を輝かせながらフルーツ牛乳を受け取ると、初めて飲むにも関わらず器用に牛乳瓶の蓋を開いた。
美琴もそれに倣って牛乳瓶の蓋を開けると、何の偶然か御坂妹と一斉に牛乳瓶に口をつけ、そのまま中身を一気に飲み干した。
二人はこれまた同時に牛乳瓶から口を離すと、ぷはっと大きく息を吐く。
「うん、やっぱり定番と言われてるだけあって美味しいわね」
「こんなに美味しい飲料がこの世にあったとは……とミサカは驚愕します。
もう一本飲みたいです、とミサカは上目遣いになりながらお姉様にお願いします」
「だーめ。牛乳は飲み過ぎるとお腹壊しちゃうわよ」
「そうなのですか。ならば控えなければなりません、とミサカは渋々それを了承します」
美琴はそれでも未練がましく牛乳瓶のふちをがじがじとしている御坂妹から牛乳瓶を取り上げると、代わりとばかりに服を投げつけた。
いくら夏が近いとはいえ、こんな夜に裸同然の格好で扇風機の前でじっとしていたら流石に風邪をひいてしまう。
「ほら、さっさと着なさい。プリクラ撮りたいんでしょ? 流石の第二十二学区と言えど、急がないとゲーセン閉まっちゃうわよ」
「そう言えばそうでした、とミサカは大急ぎで服に着替えます」
実のところ、美琴ももう一回くらいプリクラを撮ってみたいと思っていたので御坂妹のリクエストは願ったり叶ったりだ。
それに美琴自身、無意識の内に御坂妹を自分の妹として認め始め、彼女の希望を叶えると共に何らかの思い出の品を残したいと考えていた。
いそいそと着替え始めた御坂妹を眺めながら、美琴は誰にも気づかれないくらい微かに微笑んだ。
―――――
だいぶ遅い時間なのにも関わらず、ゲームセンターには予想よりも多くの学生たちがいた。
そんな中で、美琴と御坂妹はプリクラが密集しているエリアにもうずっと居座っている。もちろんプリクラを撮る為だ。
しかし、そのプリクラ台の隅っこに置かれているシールの数が尋常ではない。
何故なら、御坂妹が持ってきたお金を全部使い切りかねないくらいの勢いで写真を撮りまくっているからだ。
「……ねえ。こんなに撮って何に使うの?」
「聞くところによると、シール帳というものに張るそうです。お姉様もどうぞ、とミサカはお姉様にシール帳を差し出します」
「あ、ありがと……。でも、私とアンタばっかりじゃない。あんまり見栄え良くないわよ?」
「構いません。これを後で他のミサカたちに自慢するのです、とミサカは最初にお姉様と遊んだ個体としての優越感に浸ります」
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