過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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21:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 17:06:31.24 ID:lnwWc/Yo
美琴より一つ年下の初春は、こう見えて凄腕のハッカーである。ただし今日は、初春の情報収集能力を見込んで頼みごとをしに来たのだ。
ただし、もちろんハッキングは犯罪。個人的な事情のためにそれをやってもらうのは少し後ろめたい。
美琴は後ろのほうで白井の介抱をしている固法を横目に見ながら、二人にばれないように初春にそっと耳打ちした。

「早速で悪いんだけど、『一方通行』について調べて欲しいの。皆に秘密でね。もちろん、時間が空いたらで良いんだけど……」

「……ふむ、変わった言葉ですね。能力名でしょうか?」

「たぶんそうだと思うわ。私にも詳しいことは分からないの。ごめんなさい」

「いえいえ、大丈夫です。名前さえ分かれば充分調べられますので」

本当ならもうちょっと早くここに来て初春にこの頼みごとをする予定だったのだが、
白井曰く最近はなんだかおかしな事件が増えてきて風紀委員はその対応に追われているとかで、今日までここに来るのを控えていたのだ。
今日になって、白井が少しはマシになってきたらしいことを教えてくれたのでやってきたのだが……。

「だけど、すみません。今ちょっと忙しいので遅くなっちゃうと思いますけど、急ぎですか?」

「いえ、そんなに急いでもらわなくても大丈夫。それより何かあったの? さっきからすごい勢いで調べものしてるみたいだけど」

「ああ、これですか。御坂さんも白井さんに聞いてると思いますけど、何か最近能力者がよく事件を起こすんですよね。
 それでさっき、ちょっと不審な点を見つけたので改めて犯人について調べ直してるところなんですよ」

「不審な点?」

美琴が首を傾げながら鸚鵡返しすると、初春は無言で頷いた。
パソコンを覗き込んでみると、確かに色々な能力者についての情報が表示されている。
ただ、表示されている能力者のレベルはどれも事件など起こしようもないほどに低かった。新手の武装集団でも現れたのだろうか?

「こら、初春さん! 一応風紀委員の機密事項なんだから、御坂さんに話したら駄目じゃない!」

「うぐっ……、ごめんなさい御坂さん。そういうことなので、これ以上は話せません」

「な、なんかごめんなさい。大丈夫よ、そこまでして聞きたかった訳じゃないし気にしないで。それよりさっきの件、よろしくね」

「はいはい、了解でーす。何か分かり次第、こちらから連絡させてもらいますねー」

返事をしながらも、初春はキーボードのタイピングを辞めずに作業を続けている。
美琴は大したものだと感心しながらそろりと背後を振り返ると、固法は再び白井の手当てに戻っているのが見えた。
事件について話しているのを聞かれてしまっただけで、頼み事についての話は聞かれていないらしいことに、美琴はホッと胸を撫で下ろす。


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