過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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227: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/12/11(土) 21:06:16.59 ID:gv3XuLoo

一方通行は壁に手を付きながらふらふらと立ち上がると、取り戻した能力を行使して身体能力を補助し、走り出す。
渾身の爆風はよっぽど高威力だったのか、周囲を見回しても駆動鎧の姿はなかった。
代わりに騒ぎを聞きつけて集まってきたらしい通行人と、通報されて駆けつけた警備員がこちらに向かってくる音がする。

一方通行にとっては、駆動鎧も警備員も大差ない存在だ。
だから彼はそのどちらからも逃げ切る為に、出来るだけ騒がしくない方へと向かっていく。



走って、走って、走って、走って、走って。
漸く大通りに辿り着き、大勢の人々の行き交う日常的な光景を目にした一方通行は、深い深い溜め息をついた。

ここまで来ればもう大丈夫だろうと安心した途端、忘れていた頭痛が帰ってくる。
しかしそこまで長時間能力を酷使したわけではないので、冥土帰しの言っていたような気絶するほどの激しい頭痛ではなかった。
一方通行は壁に身体を預け、そのままずるずると地面に座り込む。
頭痛もそうだが、それ以上に精神の方が参っていた。もともと病人だったので、体力も激しく消耗している。

(……、薬。どォするか)

あんな目に遭ったのだから当然だが、置いてきてしまった。
とは言え今更戻ったところで、どうせ駆動鎧に踏み潰されるなり砲弾の被害に遭うなりして原形を留めていないだろう。
それに、冥土帰しには悪いが例え使えるような状態にあったとしてもわざわざ取りに戻ろうなどとは思えなかった。

「……、?」

すると、ふと何処かで聞いたことのある声が聞こえた。
……悲鳴、怒鳴り声、罵声、助けを求める女の声、呻き声、叫び声、騒音。
一方通行は何となくこの流れに覚えがあった。

彼は壁に手を付きながら立ち上がる。
ほんの少ししか休んでいないが、自力で歩ける程度には回復していた。
そして声の主を探し求めてきょろきょろと辺りを見回す、と。

……一方通行は声の主、その原因を見つけたと同時、能力の過剰使用とはまた別の頭痛に襲われた。
いや本当に、まったくもって頭が痛い。
能力の過剰使用なんか、全然比べ物にならない程だ。

「……何やってンだ、あの馬鹿」

一方通行は溜め息をつきながら、馬鹿としか表現しようのないその人物を視界に収める。
視線の先には、女の子を助けようとして大勢の不良を敵に回し、ボコボコにされながらも戦っている上条当麻の姿があった。



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