過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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[sage saga]
2010/10/24(日) 17:07:23.46 ID:lnwWc/Yo
学校が終わってこれから友達同士で遊びに行こうとしている者や、まっすぐ家に帰ろうとする者でごった返している第七学区の大通り。
そんな怪我人に優しくない場所を、松葉杖を突いた一方通行は涼しい顔で歩いていた。
一方通行は軽く周囲を観察しながら歩いていたが、見覚えのあるものがまったくなかった。
この辺りをうろついていたのだから恐らくこの近くに住んでいたのではないかとは思うのだが、それでもやはり何も思い出せない。
もしかしたらと思ってわざわざ危険を冒してまでこんなところまでやってきたのに、アテが外れてしまった。
一応帽子を目深に被って目立つ髪色を隠しているし、服は病院でできるだけ地味なものを選んで借りてきたものを着ているのだが、
何の収穫も見込めない以上、このままここにいてもあの追跡者に見つかる可能性が上がるだけだ。
一方通行が諦めてそろそろ病院に帰ろうと踵を返したその時、不意にどこからか聞き慣れた声が響いてきた。
「あれ、一方通行?」
「……オマエか。何してンだ?」
声の聞こえてきた方向を振り返ると、そこには学生鞄と買い物袋を手にした上条が立っていた。どうやら買い物の帰りのようだ。
しかし、ここは上条が住んでいる寮とはまったく正反対の方向。
どこをどう頑張っても、スーパーからの帰り道にここを通ることなどはないはずなのだが。
「あァ、また御坂に追い回されてたのか。毎度毎度ご苦労なこって」
「違げえよ! 俺だってそんなにいつもビリビリに追い回されてるわけじゃねえ。お前のお見舞いに行こうと思ってたんだよ」
「それはそれで、毎日毎日よく飽きねェな」
「飽きるって、お前なあ……。まあ、人の好意は素直に受け取っとけ。何か損するわけじゃあるまいし」
あれ以来、上条と美琴はほとんど毎日のように一方通行のお見舞いにやってきてくれていた。
特に上条なんて貧乏だろうに、頻繁に果物などのお見舞い品を持ってきてくれる。
そしてその他の様々な行動から察するに、一方通行は上条は真性のお人好しなのだろうと思っていた。
そうでもなければ、たとえ自分の不注意で事故を起こしてしまったとはいえ、普通ならなかなかここまではできないだろう。
「それにしてもお前、もう外を歩いて良いのか? まさか抜け出してきたんじゃないだろうな」
「そンなことするかよ。よォやく外出許可が出たから、リハビリがてら歩いてただけだ。あとは、何か思い出せるかと思ってな」
「おお、そっか。良かったじゃねえか。で、何か思い出せたか?」
「いやまったく。自分でもびっくりするほど何も思い出せねェ。この辺に住ンでたわけじゃねェのかもな」
言いながら、一方通行は肩を竦める。
一方通行はどう見ても中高生くらいにしか見えないので普通ならこの辺りに住んでいるはずなのだが、どうやらそうではなかったようだ。
風紀委員や警備員に自分の存在を知られたくないらしいし、もしかしたら本人も知らないような複雑な事情があるのかもしれない。
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