過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/01/07(金) 23:06:52.65 ID:i3GUHzEo
「あー、まあそれもあるかな」
曖昧な返事しかしない垣根に、妹達は首を傾げた。
彼女は『実験』は中断しないという報告を聞いたときは心から安堵したものだが、それが原因でないのならばなんだろう。
それに、彼女は最近『実験』に関することについて何か進展したという話も聞いていない。
とは言え、妹達は『実験』に関する情報における伝達の優先順位はかなり低いので、まだ聞いていないだけという可能性もあるのだが。
「では、何か個人的に良いことがあったのでしょうか、とミサカは推測を諦めます」
「いやいや、全然個人的じゃないぞ。お前にも関係あるし」
「ミサカにもですか? それはミサカがまだ知らないことでしょうか、とミサカは興味を示します」
「まあその様子を見るに、お前は知らないと思うぞ。お前にとっても良い話だろうし」
「ミサカにとっても良い話、ですか? とミサカはますます推測が難しくなってきました」
「ああ。ほら、これだよこれ」
気持ち悪いくらいにこにこ笑っている垣根が差し出してきたのは、先程彼自身が目を通していた資料。
資料とは言え、紙一枚だ。いや、資料と言うよりもこれは報告書だろうか。定型化された用紙の中に、短いメッセージだけが書いてある。
妹達はその紙に目を通すと、ほんの僅かに目を見開いた。
そんな彼女の反応を見て、垣根は満足そうににっこりと笑う。
「な? 良かっただろ」
「……ええ。と言うよりも、やっとですかという気持ちの方が強いですが、とミサカは苦々しい本心を暴露します」
「いやまったく。このまま行けば、他の妹達に出し抜かれちまうところだったからな。それだけは絶対に阻止しなきゃなんねえ」
「ここからはこちらの手番ということですか、とミサカは不敵に微笑みます」
「おお。こっから漸く本番ってところか」
言いながら、垣根は妹達から紙を受け取った。
そしてその紙を再度じっと見つめながら、彼は低い声でその内容を読み上げる。
「捕縛行動の再開日時が決定。被験者『一方通行』が退院を目的に病院を出た瞬間を以て、捕縛行動の再開を許可するものとする。
具体的な日程は明日……、いや、アイツの性格を考えれば今夜だな」
愉しそうに笑う垣根が手を放すと、ひらりと紙が宙を舞う。
冷たい床に落ちた紙は、ただ無機質な文字を掲げているだけだった。
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