過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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756: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/04/05(火) 20:18:52.92 ID:dnwRI0/9o

「……お姉様が?」

しかし二人の言葉に、白井は眉を顰める。
そして彼女は再び爆発跡を振り返ると、その無残に焼け焦げた床や壁を眺めながら何かを考え込むように腕を組んだ。

(初春たちがいた場所だけまったくの無傷だなんて……。能力をどう使ったらこういう風になりますの?)

(……あれ、これもしかして無用に捜査を混乱させてるかな? まあ良いか……)

そんな上条の適当な判断の所為で、この事件の真相は永久に迷宮入りするハメになりそうだ。
まあ美琴のお陰にしておいたところで、何か問題がある訳でもないのだが。

「オイ上条、何ぼーっとしてンだ?」

「うおっ、鈴科。いつの間に戻って来たんだ?」

「今さっき。あのガキは警備員に預けといたぞ」

「そっか、ありがとな。助かった」

「あら、鈴科さんもいらしてたんですのね」

人の気配に気付いた白井が、また何か言われたのか初春の花畑を毟りながらこちらを振り向いた。
この二人、風紀委員の仕事は良いのだろうか。

「あァ、オマエか。風紀委員も大変だな」

「いえ、好きでやっていることですので。……ところで顔色が優れないようですが、警備員を呼びましょうか?」

「い、いやいやいやいや大丈夫! こっちで勝手に病院に連れてくから!」

「そうですか? 遠慮なさらなくても良いんですのよ」

白井の厚意は有り難いが、一方通行を警備員に預けるなんてとんでもない。
先程のように別の人間の為に呼んで来るくらいなら大して問題ないだろうが、本人を預けるとなると話は別だ。
送るとか言われて身元や住所を訊かれたら不味い。

「つゥか、別にンな重症じゃねェ……、っ、う」

「……本当に大丈夫ですの?」

「た、たぶん……。まあとにかくさっさと病院に連行することにするよ。初春さんたちもまたな」

「はいっ、お疲れ様でしたー」

ぶんぶんと手を振っている初春たちに見送られながら、上条たちは事件のあったフロアを後にする。
……その一方で、事件現場から離れるごとに一方通行の顔色が回復していっているような、気がした。



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