108: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:35:35.17 ID:h/r4xgg0
黒子(――皮肉もいいところですわね)
紙に書いて願った内容と、目の前の現実――その差はあまりにもかけ離れすぎたものなのは明白だった。
生きるどころか――骨まで木っ端微塵に砕かれて。
109: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:36:38.03 ID:h/r4xgg0
黒子(ますます臭いがキツくなってきましたの……一体何ですの?)
息をすることはおろか、目を開けるのでさえ辛くなってきた。
これ以上前へ進むのさえ、正直嫌になってくる。
110: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:37:30.16 ID:h/r4xgg0
黒子(男子用トイレですの?臭いの原因はこれのようですわね)
一瞬ためらわれたものの――念のために確認しようと、中に足を踏み入れる。
111: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:39:07.81 ID:h/r4xgg0
そこを通り過ぎると、今度は個室が3つあった。
木製の扉はいずれも閉じられている。
が――
112: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:40:05.85 ID:h/r4xgg0
黒子(――!!)
一瞬全身が金縛りにあったかのように動かなくなる。
原因は鏡に映っているもの。
113: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:41:12.45 ID:h/r4xgg0
黒子「…………」
身震いが止まらない。
いや、実際にはしていないのだろうが、心の底から震えているのが分かる。
114: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:41:55.23 ID:h/r4xgg0
黒子(ち、ちょっと!!く、首が勝手に……!!)
慌てて止めようとするが……首が言うことを聞かない。
じわじわと背後の様子が視界に入ってくる。
115: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:43:18.78 ID:h/r4xgg0
黒子(どういう……ことですの?)
途端に、金縛りが解ける。
体を背後に向けて眺め回すが……誰もいなかった。
最初から、そこにいなかったかのように。
116: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:44:45.13 ID:h/r4xgg0
そして――ゆっくりとその口が――歪められる。
117: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:49:07.37 ID:h/r4xgg0
黒子「ひ、ひいいいい!!」
情けない悲鳴を上げてしまう。
思わず泣き出しそうになった。
118: ◆IsBQ15PVtg
2010/12/15(水) 13:49:58.80 ID:h/r4xgg0
黒子「……はぁ、はぁはぁ……」
先程の階段のところで立ち止まり、ひざに手を当てながら下を向いた。
息がすっがり荒くなっている。
悪臭の漂う中だったが、そんなのはもはや関係ないといった様子で。
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