600: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:45:19.68 ID:JkVeA1Oy0
佐天「もう、いいかげんにして……」
憔悴した表情で、板を裂け目に乗せる。
なんとか、裂け目を覆いかぶせる形になり、気をつければ渡れないということはなさそうだ。
601: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:46:05.57 ID:JkVeA1Oy0
佐天「…………」
それ以上何も言わず、手帳を遺体の制服の上に置いた。
そして、裂け目に渡した板の上を、一歩一歩ゆっくりと歩みだす。
602: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:46:33.39 ID:JkVeA1Oy0
やがて、大きな広間のような場所に出た。
正面にはこれまでみたものよりも一回り大きな引き戸があったが――大きく開けられている。
しかし、直前には裂け目が走っていた。
603: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:47:23.61 ID:JkVeA1Oy0
佐天(とにかく、初春らを探してから脱出しよう。多分、玄関の扉があるだろうけど……)
再び、正面の出入口を見渡す。
並んだ下駄箱がうっすらと闇の中に見えるだけだった。
604: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:47:53.04 ID:JkVeA1Oy0
『一緒に行こうって……
605: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:48:20.27 ID:JkVeA1Oy0
佐天(……先に脱出しちゃって、置いてけぼりとか……)
そんな考えがふと頭をよぎる。
考えてみれば、初春にしても、美琴にしても、黒子にしても――こんな異様な空間で一人だったら。
606: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:48:48.48 ID:JkVeA1Oy0
佐天「……まさかね。そんなこと無いよ……絶対無い」
湧き上がった考えを一生懸命に頭の中で否定する。
幻想御手に手を出してしまって、昏睡したとき、一生懸命に助けてくれた。
607: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:49:29.50 ID:JkVeA1Oy0
廊下はしばらく進むと行き止まりになっていた。
右手には上への階段があった。
廊下の左手の天井は大きく抜け落ちていた。
608: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:50:17.63 ID:JkVeA1Oy0
佐天「ははは……もうたくさん……」
立ち止まり、ただ乾いた笑いをあげてしまう。
609: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:50:47.76 ID:JkVeA1Oy0
610: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2011/02/19(土) 21:51:18.36 ID:JkVeA1Oy0
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