883: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:13:12.49 ID:/lH7RaFJ0
黒子(――しまった)
周囲に今いたのは、外部の人間ばかり――そのことを黒子はすっかり失念していた。
学園都市の人間ということを明かせば、恐らく能力者ということも明かさざるを得ない流れになるのは、容易に想像できることだ。
884: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:14:07.77 ID:/lH7RaFJ0
黒子「え、ええ。言ってなかったですけど、わたくしは学園都市に住んでいますの」
たどたどしい口調で話し出す。
885: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:14:49.80 ID:/lH7RaFJ0
あゆみ「そっか。常盤台中学ってことは、超能力なんかも使えるとか?」
子供のように、わくわくした面持ちで黒子に詰め寄ってくる。
886: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:15:22.86 ID:/lH7RaFJ0
あゆみ「え?」
一瞬目の前で何が起こったのか理解できないでいた。
まばたきを幾度も激しくしながら、突如現れたロウソクをまじまじと見つめている。
887: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:15:57.76 ID:/lH7RaFJ0
黒子(やっぱり、こんな話になりましたか。だから、空間移動のことは言う気がしなかったのですの)
内心で舌打ちをする。
霊などの異様なモノが徘徊し、いくつもの命が奪われている、この空間。
888: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:16:34.42 ID:/lH7RaFJ0
あゆみ「そうなんだ……」
少ししょげた素振りを見せる。
889: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:17:01.24 ID:/lH7RaFJ0
黒子「これも想像ですけど……能力を使う使わないに関係なく、空間を移動させられている気がしますの」
890: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:17:48.11 ID:/lH7RaFJ0
あゆみ「それって……どういうこと?」
黒子「廊下の裂け目があったと思えば、嘘みたいに消えていたり、別の形状になっていたりすることが度々ありましたの。貴女にはそのような心当たりはなくて?」
891: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:18:39.13 ID:/lH7RaFJ0
黒子「さて……ここでじっとしていても仕方がありませんの」
あゆみ「だったら……犯人の霊を弔いに行く。心当たりがあるの」
892: ◆IsBQ15PVtg[saga sage]
2011/04/29(金) 23:19:27.77 ID:/lH7RaFJ0
黒子「人形が話すこと自体、不気味ですけど……」
手にした文化人形を複雑な面持ちで眺める。
今の所は、何も言葉を発する気配は――当然ない。
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