158:投げんな匙 ◆t4xyS9bQ1M[saga]
2011/01/23(日) 03:21:22.84 ID:qjaYsugY0
麦野はある懸念があった。
それは浜面が滝壺の事を好きなんではないか、という懸念だった。
そして逆に滝壺も浜面のに好意を寄せているのではないか、と。
浜面がアイテムのメンバーにいじられてアホだ、なんだ言われているとき、滝壺は決して浜面の事をバカにしない。
真剣なまなざしで寧ろ、無言でいじられている浜面にエールを送っているかの様にも見える。
(浜面も…受け狙ってるときとか滝壺の事ちらちら見てさ…何よ)
(私じゃダメなの?)
麦野は確かに学園都市の中でも最高級の美女だ。
しかし、浜面はそんな麦野に、滝壺の機嫌を伺ってちらと表情を覗くことなんか一度もしなかった。
(あーあ―…弁当買ってこいだ、なんだ言って命令してて、浜面の事を犬だなんだって言ってたけど)
(ホントの犬は私だったのかな…)
すぅすぅ寝息を立てている子供の様な浜面を麦野は裸で抱きしめる。
浜面は少しだけ「うーん?」と小さくうなる。麦野のお腹の辺りでうずくまろうとしている浜面の髪の毛をゆっくりなでる。
「私も雌犬ね…ふふ」
自嘲気味に麦野はつぶやいた。
その声は空調の音にまぎれ消えていく。
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