369:投げんな匙 ◆t4xyS9bQ1M[saga]
2011/01/30(日) 02:15:14.66 ID:WUoUVnwX0
「もう連絡先とかもわからないし…ははは…」
「さっきから…なんかごめん…フレンダ」
フレンダは「いいって訳よ」と滝壺の方を叩き、思う。
自分は本当にアイテムに根をおろしているのかと…。
フレンダは滝壺と違って、自分の居場所がアイテムにあるとは考えにくかった。
その懐疑の心は彼女の平凡さからくるものだろう。
銃器の扱いに長けてるとは言え、所詮能力者には太刀打ちできない、しかもこんな無能力者の代わりなんてごまんといる。
そう彼女は思っている。
本当はアイテムという組織を維持していくうえでも重要な盛り上げ役としての地位を確保しているフレンダだが、彼女はそんな事知る由もない。
「とにかく、アイテムでこのまま身を擦り減らして死ぬなんてまっぴら御免だって事よ…結局」
フレンダは「はぁ」とため息をつきながら自嘲気味に嗤う。
滝壺はじっとフレンダの事を見ている。
「滝壺も…いつか他に居場所が出来ると良いね」
「…うん、フレンダもね」
学園都市の暗部という常人からは可視化できない夕闇でもがく二人の少女。
それぞれの運命は一体どうなるのだろうか。
1002Res/828.42 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。