過去ログ - 佐天「…アイテム?」
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444:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/09(水) 03:33:57.64 ID:ofO3IuS6o
(ちょっと…何でここにアイテムが?ってかあれってアイテムよね?)


「こちらでよろしいでしょうか?」


店員がにこり、と営業スマイルを浮かび上がらせる。
初春は「はい、ありがとうございます」と気品が求められる風紀委員に恥じない素振りで店員に礼をする。


初春のそんな丁寧な対応とは対照的に、佐天はドキドキする鼓動を落ち着かせて初春に気付かれないように、静かに深呼吸する。
その間に「どうしたんですか?佐天さん」と質問する初春に「大丈夫」と小さくか細い声で佐天は言い放つとアイテムの隣の座席に座った。


(うわぁ…生で見るアイテムだ…)


今まで写真でしかみたことのないアイテムが今、座席を隔てて佐天の隣にいるのだ。
ほんもののアイテムが彼女の目の前にいた。


佐天と初春は座席に座る。
初春がアイテムが見える位置に、佐天はちょうど背中を向ける具合に座った。
と言っても、初春はアイテムという組織の事なんかしらないだろうが。


佐天はアイテムが何を話すか気になってどれどれ、とちょっとだけ耳をそばだててみた。
するととんでもない内容の話をしてるではないか。


「ねぇ、電話の女って誰なんだろうね…」


確かに聞こえた。
麦野と思しき声が佐天の耳元に到達し彼女の耳朶を打つ。
瞬間、佐天の血が沸騰するかのように体が熱くなる。
自分の隠していた何かがはがれてしまった様な感覚を彼女は覚える。


お昼御飯を食べるとかそういうレベルではない。
佐天は一気に緊張し、はやくなる自分の心臓の鼓動を落ち着かせようとする。



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