487:投げんな匙 ◆ZBFBxXwTUM[saga]
2011/02/12(土) 03:06:24.27 ID:8hjNMdxho
「…私は…お姉ちゃんが見つかったら…ここを出ようと思う…」
やっと絞り出した言葉のなんと力のない事か。
自分がどんな表情で言ったのだろうか。フレンダは知る由もない。
しかし、恐らくフレンダ自身が驚くほど顔を歪めていただろう。
滝壺はそんなフレンダの顔をじぃっと見つめている。
今日の夕方、第十四学区で黒人と話し、アイテムを抜けて、学園都市を出ようと決心したフレンダ。
しかし、自分とともに暗部を駆け抜けた滝壺の前ではその事をいうのに躊躇しなければならなかった。
アイテムのメンバーを知り合い程度にしか考えていなかったフレンダ。
繰り返しになるが、彼女自身が最もこの事に驚いていた事は言うまでもない。
(さっきあの黒人教師と話してた時は学園都市から抜けたいって思ってたけど…本当の所どうなのよ?ねぇ!)
フレンダは自分に言い聞かせるが答えが出ない。
姉に会いたい、その気持ちは勿論ある。でなきゃ、わざわざ暗部に落ちたりなどしない。
しかし、なぜ、その事を滝壺に言えない?アイテムの他のメンバーに密告される事を恐れている?いや、そんな矮小な気持ちではない。
滝壺という最近できたもう一人の姉…の様な存在と離れ離れになることが嫌だから?
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