過去ログ - キョン「戯言だけどな」
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552:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 12:50:47.08 ID:itzVSEe30
ハルヒの背中が震えた。肩の震えは最初は小さく、徐々に大きくなっていき止まる気配は無い。小さくしゃくり上げるような声も聞こえてくる。俺はソイツの背面、団長様専用デスクに茶の入った湯呑を置くといつも通りの定位置に座った。
窓の外では世界の終りが進行している。とは言ったものの、実際何がどうなったら世界が崩壊するのか、なんてのは俺には分かりようもない。神人の振るう拳が俺たちの居るこの場所を叩き潰したら、とかかね?
まあ、いい。

「茶、冷めてから飲んで不味いとか言われても、そりゃ俺のせいじゃ無いからな」
以下略



553:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 13:07:12.67 ID:itzVSEe30
「……戯言よ、それ」

ハルヒは呟く。

「アタシが何をしてきたか、誰よりもアンタが一番よく知ってるんでしょ? だったら分かってるはずじゃない」
以下略



554:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 13:27:17.07 ID:itzVSEe30
まるっと纏めて背負い込んで、それで立てなくなるような弱い足腰してたつもりはない。大体だ。重石が無くなりゃ宙に浮いちまうかも知れねえし、踏ん張りだって利きゃしない。
これまでの十七年間、積もりに積もって貯めに貯めて、それでようやくブレないで一人でたてるだけの重さ、過去を手に入れたんだ。それをなんだ? ネコソギ奪い取るってどんだけお前は横暴なんだよ。
いいか、そういうのはな「偽善」ですら無いんだ。昔、キリストって馬鹿が居てな。人間みんなの罰を一身に背負うとかなんかそんな誇大妄想を膨らませまくって磔になった訳だが。ソイツは、ソイツ自身が死ぬ事で誰が泣くのかも考えちゃいなかった。
周りすら幸せに出来なかったような、そんなヤツの真似をして何になる?

以下略



555:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 13:41:05.28 ID:itzVSEe30
核心、ってのはきっとその程度のものなんだろう。全能かも知れんが、全知じゃあない。だったらそれは神様なんて呼べる代物じゃないね。そうだろ?
少なくともハルヒは知らない。俺の思いも、覚悟も。いや、俺だけじゃない。長門、朝比奈さん、古泉がどんな気持ちでお前の傍に居るのか。それは生半可な思いじゃないし、並大抵の覚悟でもない。それくらいは俺でも分かる。なのにコイツには分からない。
ただ、襲い来る罪悪感に打ちのめされて他に気を回す事すら出来なくなっちまってる。

「……キョン」
以下略



556:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 14:08:49.03 ID:itzVSEe30
鬼の目から涙、って表現はいささか自分でもどうかと思う。それくらい、ソイツの涙は今まで見た事が無かったし、それは綺麗だった。

「茶、冷めちまってんな。淹れ直すか?」

「……いい」
以下略



557:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/15(火) 14:10:10.90 ID:iDkXUYiDO
わっふる!

する前にちょっとコンビニ行ってくる


558:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/15(火) 14:15:38.11 ID:+L6vO1aUo
なんかpixivの偽善厨みたいなこと言ってんな
まあさっきお札で募金してきたけど!


559:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/03/15(火) 14:22:07.28 ID:tniKMi3DO
ハルヒ全巻より高いSSなんだから、クオリティ期待してるぜ


560:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/15(火) 14:26:00.90 ID:05gZtZrT0
俺も札で入れてきた
コンビニの姉ちゃんが「ありがとうございます」と微笑んでくれた
偽善偽善と難しく考えなくてもいいや、と思えた

実は岩倉具視の500円札だったのは内緒だ


561:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/15(火) 14:27:05.47 ID:itzVSEe30
ハルヒは言って、俺に背中を向けた。どうだっただろうか。一応記憶をかき回しちゃみるが、そこまで覚えていられるような出来の良い記憶回路は生憎持ち合わせちゃいない。テストの点数を思い返せばこの辺りは自明だな。

「……俺も、ちゃんと礼を言ってたか記憶に無いよ、そういや」

人生の最後ってのは結構どうでもいい事が引っ掛かるものなのかも知れない。他の何よりもお茶の礼だなんて、いやまあ、そういうものなのかも知れないが。
以下略



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