過去ログ - 一方通行「いい子にしてたかァ?」
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38:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2011/01/27(木) 22:15:59.44 ID:qfluUYGG0
日頃から湯船に入る前に、身体を洗うように言い聞かせているため、想は身体に湯をかけるとボディーソープを泡立て始める。
広い浴室は、青年と少女が並んで座る余裕があった。
少女の母親が決めたこのマンションの目玉の一つがこの大浴室だ。
全寮制のお嬢様学校、それも頭に超が五つくらい付くような学校の出だけあって、浴室やキッチンにはうるさいのだろうか。
身体中を泡だらけにしていく想を眺めながら一方通行は思う。
「あーくん、あたまあらって〜」
身体の泡をシャワーで落としながら甘えるように想が見上げてくる。
少女の髪はうっかりすると溶けてしまうのではないかと心配になってしまう細く柔らかい髪質だ。
それが泡と共に指の間を滑るのは心地よくクセになる。
何度も洗ったことのる一方通行は、あの独特の感触を思い出す。
しかし、彼は即座に首を振る。
期待満面の少女はとたんに不服そうに眉間に皺を寄せる。
「あーくんずっと想のあたまあらってくれてたのに」
「ハァ…お前もう四歳だろ。いい加減甘ったれてンじゃねェよ。自分の頭くらい洗えンだろォ」
こつんと軽く額を小突く。
想は、ますます膨れ面をすると、うぅ〜と唸る。
一瞬、洗ってやってもいいかなという考えがよぎるが、即座にそれを打ち消す。
甘やかすことと大切にすることは違う。
心を鬼にして一方通行は自分の身体を洗う。
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