9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/01/26(水) 20:57:04.38 ID:bG1sEn+D0
通学路からは少し離れた公園。
律が買ってきた缶ジュースを投げてよこす。
「ふいぃー!全力疾走は堪えますなあ!」
ひたいの汗を拭いながらジュースを開ける。
「律・・・、その、ご、ごめん・・・」
「ほへ?」
私の発言にハテナマークを頭に浮かべる律。
「その・・・」
足の包帯を指さす。
「え?これ?!」
コクン、と頷く。
「・・・・・・」
間。
「ぷっ」
「あはははははははは!!」
「・・・えっ?!」
突然律が笑い出す。
「あっははははははは!!」
何がおかしいのだろう、バンバンと座っていたベンチを叩き出す。
「え、澪。まさかコレでずっと元気無かったのか?!コレで!」
まだ「あははは」と笑い転げている。
「な、何で笑うんだよっ!」
「ごめんごめん!」
はーっ、と深呼吸。
目尻の涙を制服の袖で拭う。
「悪かったな・・・」
「な、何で律が謝るんだよっ!悪いのは・・・」
「大丈夫だよ、ちょっと大袈裟に包帯巻いてるけど、痕も残らないってさ」
「律・・・」
「ごめんな、澪」
きゅっと私の身体が抱き寄せられる。
「律・・・」
距離が近くなり、ふわりと律の匂いが鼻腔をくすぐる。
「ありがと」
「こっちこそ、ごめん」
一番言いたかった言葉。
やっと言えた素直な気持ち。
緊張の糸がぷつりと音を立てて切れた気がした。
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