過去ログ - 紬「アイスの棒で?」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 04:45:13.71 ID:NOUrG0Tf0
 何日かが経った。
 相変わらず夏の日差しは容赦なく降り注ぎ、女子高生の勉学に勤しむ僅かなやる気すらをも奪っていく。
 天を仰げばどこまでも青い空と、綿菓子のような入道雲がゆったりと流れ、ひりつく肌とは対照的にどこかのんびりしていた。

「唯先輩、今日、一緒に帰りましょ!」

「あずにゃん〜……暑いよぉ」

「もうだらしないですよ! しゃきっとしてください、しゃきっと!」

「うーん……あつい……」

 夏は暑い。
 しかし、あともう少しすれば待ちかねた夏休みに突入する。だらだらと汗を流して外を走る必要も、暑さでぼーっとする頭で授業を受ける必要もなくなるわけだ。
 待ち遠しいな。はやく来い、夏休みー。
 浮かれた気持ちを先輩達に気取られないように――だって、絶対にからかわれるもん――けれど、元気な声は忘れずに。
 私はスカートのポケットに入れたギターの弦の存在を、指先でそっと確認した。

「帰りにアイスでも食べていきましょうよ! 純が言ってたんですけど、駅前にジェラードの専門店が出来たみたいですよ」

「えっ、ホントに!?」

「はい。だから、一緒に帰りましょ」

「うん!」

 唯先輩は真っ白な歯を見せて笑った。本当にアイスが好きなんだなぁ。


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