84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:06:24.60 ID:NOUrG0Tf0
「ねえあずにゃん。どこ行くの?」
「……」
「ねえってば」
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:31:23.56 ID:NOUrG0Tf0
「浴室は廊下を突き当たって右です。私、着替えとか用意するんで、唯先輩、先に入っててください」
「……わかった」
……。
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:33:35.58 ID:NOUrG0Tf0
浴室の扉の前に立つと、シャワーの音が聞こえてきた。
私も服を脱ぎ、それからスカートのポケットに手を入れる。指先に触れる冷たい感触があった。
結局、家に戻ってくるなら別に持ち歩かなくてもよかったのかも。まあ、これはいわゆる気分ってやつかもしれない。
あるいは……覚悟、かな。あはは。
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:45:11.24 ID:NOUrG0Tf0
「あずにゃん……その……エ……エッチを、する前にさ、言っておきたいことがあるんだよ」
「何ですか? 何でも聞いてあげますよ」
シャワーに流され、唯先輩の足元にボディーソープが流れ出す。
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:46:21.59 ID:NOUrG0Tf0
「うん……怒らないで聞いてね」
そう言って後ろを向いたまま、唯先輩がシャワーを止めた。
足元はすっかり泡塗れになり、どう転んでも、立ち上がれる余裕は無い。
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:49:32.94 ID:NOUrG0Tf0
『……ただいま電話に出ることができません。発信音の後に――』
律先輩、澪先輩、そしてムギ先輩。
いずれのケータイにかけてもすぐに留守電になってしまった。
陽射しが暑い。
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:51:28.69 ID:NOUrG0Tf0
もし唯先輩の言っていることが本当だとすれば、トンボ以降に作られた墓は皆、ムギ先輩の仕業という事になる。
そして……トンちゃんを殺したのも。
でも、そんなことってあり得るの? だってあのムギ先輩だよ? あの……何にでも興味を示すムギ先輩が。
とにかく、私は一旦考えるのをやめ、学校へと急いだ。
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:57:43.59 ID:NOUrG0Tf0
「唯ちゃんとは上手くいったの?」
「……あ、えっと」
「……疲れちゃった? やっぱり人の最後の抵抗って、予想以上にすごいものね」
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:02:12.29 ID:NOUrG0Tf0
もの凄い音がして、気がつくと天井を見上げていた。
何が起きたの?
わけもわからず顔に手を伸ばすと激痛が走った。
「痛かった? ごめんね」
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:10:45.78 ID:NOUrG0Tf0
口を押さえつけられた。怖くて頭がどうにかなりそうだった。
噛み付こうと思っても、もの凄い力であごを掴まれていて、口を開く事さえ出来ない。
なんで、なんでなんでなんでよ! なんでこんなことに……!
どうして? ムギ先輩は変わった人だけど、まさか人殺しまでするなんて、そんなのって。
今更、そんな疑問は白々しい。この現状、冗談で通じない今この瞬間が、ムギ先輩の狂気を証明してるじゃない。
94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:15:16.06 ID:NOUrG0Tf0
「きゃあああぁぁっ!! あああっ、ああああぁぁっっ!!」
ムギ先輩は自分の顔を押さえて、髪を振り乱しながら大声を上げていた。
透き通るような白い肌から、赤いものが流れている。
そして、私の手にもそれが付着していた。血だ。おそらくはムギ先輩の。
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:27:08.98 ID:NOUrG0Tf0
……。
……。
……。
……。
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:28:43.21 ID:NOUrG0Tf0
目の前を誰かが横切って、倒れた机の方へと近づいていった。
誰って、唯先輩しかいないけど。
「……ムギちゃん、死んだよね、あれじゃあ……ねえ?」
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/04(金) 06:35:55.69 ID:NOUrG0Tf0
おしまいです。何気に三日もかかってしまった。
いや、この板だと三日は短い部類なのかな。製作板で書くのは初めてなのでよくわからないけど、なんか新鮮でした。
vipほどカツカツしてなく、けど、スレは着々と伸びていく。500とかざらなのを見て、すごいなあと思った。
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:52:01.60 ID:ZZHMkrkZP
乙
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 06:54:45.89 ID:EBXVlStu0
乙
すごい怖かった
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 09:53:47.13 ID:AuG/T/m2o
乙
紬の墓標が気になる・・・
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 10:15:02.58 ID:jfYzoxEgo
乙
勘違い展開を期待してて一時は喜んでたらこのざま
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 12:02:23.28 ID:pA9IX+ylo
おつおつ
むぎちゃん…
103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 14:05:49.88 ID:qcjU5Oyq0
乙
これ話には出てこないけど、さわちゃんがすごい迷惑かぶるだろうなぁ・・・
104:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 14:39:14.13 ID:OjFas7fvo
乙乙
いやーいいホラーだった
ムギ大好きだけど、こういうのに興味を持ちそうな子だってことを否定出来ないな・・・
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