91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/02/04(金) 05:57:43.59 ID:NOUrG0Tf0
「唯ちゃんとは上手くいったの?」
「……あ、えっと」
「……疲れちゃった? やっぱり人の最後の抵抗って、予想以上にすごいものね」
「えっ」
ムギ先輩は私が既に唯先輩を殺したと思っているのだろうか。
それにしては、何か言葉が不自然な気がする。違和感を抱かずにはいられない。
ムギ先輩の様子。締め切った部室。
「私も疲れちゃった。それで、ちょっとうとうとしちゃって」
「ムギ先輩……私も、って……?」
「へ?」
あたかも、自分も人を殺したような口ぶりだった。
見当たらない他二人の先輩の姿。嫌な予感が汗とともに吹き出した。
「どうしたの、梓ちゃん?」
「あ、あ、あの、他の先輩方はどうしたんですか?」
「へ?」
ムギ先輩が私の言葉に反応し、とぼけた顔で物置のほうを見やると、ニコっと笑った。
物置の扉が開いている。
「うふふ。どうしたの梓ちゃん」
「ム、ムギ先輩こそ」
「へ?」
「あ、あはは……まさか、そんなことありえないですよね……ね?」
「へ?」
「……まさか、殺し――」
瞬間、目の前が真っ白になった。
一瞬遅れて、鼻に鈍い痛みと熱い感覚が広がった。
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