過去ログ - もしも『とある魔術の禁書目録のヒロインがインデックスじゃなかったら』
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(福岡県)
[sage]
2011/03/30(水) 01:24:11.26 ID:1Mf5PgwZo
それから、近くのベンチに移った。
上条は少し休んで席を外した。お礼にジュースを買って来るためである。
そのベンチに美琴とオルソラ、二人が待たされた。
「ねぇ、あんたはあいつのことをどう思っているのよ?」
「あいつとはどなたのことでございますか?」
固まってしまった。オルソラには一から十まで説明する必要はないが、丁寧に説明する必要がある。
「…当麻のこと」
ボソッとつぶやいたように小さな声で言う。正直、意識して名前を呼ぶことはほとんど無かった。
だから非常に恥ずかしい。
「愛していますよ」
その言葉は、照れてもなく、軽くもない。一言にまとめるなら全幅の信頼というべきであろうか。
「あんた、そんなこと良く堂々といえるわね。恥ずかしくないの?」
もはや、やっかみである。言った直後、自己嫌悪も出てきた。
「あの人への思いは恥ずべき事なのでございましょうか?」
美琴は、ごめんって言いかけたが、こう返されてしまった。これに対して美琴はこれしか答えられなかった。
「は、恥ずかしい事じゃない」
そう、それが美琴が答えられる限界である。一人の男への信頼、思いの深さ、全て劣っているように感じられ、気が滅入ってしまった。
と、落ち込んだ美琴を見て、オルソラは言葉を続けてきた。
「ですが、私もヤキモキしてしまうことがありますでございますよ」
え、と美琴は項垂れていた頭を上げ、オルソラの方を向く。オルソラの顔は微笑んでいた。
「あ、いや。その…」
…二人にこれ以上の言葉は続かなかった。続けることはできなかったのである。
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